目の前の試合を頑張れない選手が先の試合で頑張れるわけがない　アルティーリ千葉 杉本慶

2月24日25日に千葉ポートアリーナで熊本ヴォルターズと対戦したアルティーリ千葉（以下・A千葉）。GAME1は98-73、GAME2は106-95と連勝。B2リーグ東地区優勝のマジックは3となった。

アンドレ・レマニスヘッドコーチは、西地区の上位チームとの対戦を終え、「今月は強豪との対戦が多かったがディフェンスが基盤になっていると思える結果が得られている。15点ビハインドだった試合も逆転ができる。しっかり集中しゲームプランを遂行できている」と大きな手応えを感じている。
プレーオフ進出が既に決定。B1昇格へ向け挑戦権を獲得した今もチームとしては着実な歩みを続けている。
「プロセスを大事にしていて先を見過ぎない。今、フォーカスすべきことは何なのか。土曜日の試合を終えたら日曜日。その結果を受け入れて翌日、と一つ一つ改善していくという目の前のプロセスを積み重ねている」と指揮官は語る。

クラブ創設期から所属する#11杉本慶に話を聞いた。
「確かにチームはいい状態で、練習からとてもハードにできるなと思う。ただ、もちろん普段の練習のコンタクトなどを試合で実践して笛が鳴らなければより強度にプレーできるが、笛が鳴ってしまうと勝っているはずなのにフリースローで点差があまり開かない。試合序盤からフィットできなくても後半にはフィットできてはいる。ただ、前半のうちに選手同士で指摘し合いながら早い段階で手を打つことができたらもっといいのではないか」と、相手や審判とのアジャストについて課題を挙げる。

A千葉には今、杉本と同じくポイントガードの#3黒川虎徹（東海大）も特別指定選手として加入している。
黒川への期待については、「途中から加入したがすごくフィットしてくれる。堂々としていていい意味でルーキーっぽくない。もっと自分のやりやすいようにしてもらえたら。フィットすることを目的に彼は今取り組んでいるが、その先に自分の長所を出せるように、こうやりたいという意思表示してほしい」と話す。

リーグ屈指の選手層を誇るA千葉。今年こそと挑む今シーズン。
昨シーズン、プレーオフセミファイナルで長崎ヴェルカに敗れ逃した昇格。「去年は去年、今年は今年。今年のマインドで突き詰めていくだけ。去年は悔しかったけれど変えることはできない」と強調、昇格へ向けた覚悟が垣間見れた瞬間だった。

「目の前の試合に勝った結果がプレーオフやB1昇格の挑戦権になる。目の前の試合を頑張れない選手が先の試合で頑張れるわけがない。目の前の試合に勝つことがすべて。アルティーリのバスケで勝つことが重要」と話す杉本からは強い信念が伝わってくるようだった。
熊本戦でB2史上初めてとなる個人通算500スティールを達成。B1の舞台へチームを導くことができるのか、今後も注目したい。

文：木村英里
写真：濱田茉里