東海大学優勝で幕を閉じたインカレ2022 これから先の自分たちの物語

東海大学優勝で幕を閉じたインカレ2022 「これから先の自分たちの物語」

 第74回全日本大学バスケットボール選手権大会は、12月11日、男女ともに国立代々木競技場 第二体育館で決勝が行われた。女子は東京医療保健大学が77-52で白鷗大学を破り見事6連覇を達成した。男子は東海大学が54-51と白鷗大学を破り2年ぶり7度目の優勝を果たした。

東海大学優勝で幕を閉じたインカレ2022 「これから先の自分たちの物語」

 決勝は奇しくも昨年と同カードとなった。昨年は、白鷗大学がインカレ初優勝を果たしている。
 前半、主導権を握ったのは東海大学だった。#15島谷怜(東海大学)が試合後、「ゲームプランにないくらい入りがよかった」と振り返っていたほどだった。

インカレ2022 決勝 東海大学 白鴎大学
インカレ2022 決勝 東海大学 白鴎大学

 対する白鷗大学は、相手のゾーンディフェンスになかなか対応できず、1クォーター2得点にとどまった。
 しかし後半、白鷗大学が粘りを見せ、4クォーター開始2分で逆転に成功。東海大学も慌てることなく得点を重ね再逆転、と白熱した展開となった。
 終了間際、白鷗大学は3点差まで詰め寄るが、残り8.9秒、ラストショットはゴールに届かず、東海大学が昨年の雪辱を見事果たした。

インカレ2022 決勝 東海大学 白鴎大学
インカレ2022 決勝 東海大学 白鴎大学

 試合後、両校が会見に臨んだ。東海大学からは、陸川章監督、#24松崎裕樹、#15島谷怜、#16西田公陽、#13金近廉、#3ハーパージャン ローレンスジュニアが出席。陸川監督は「(今大会では)これまで粘って勝つことが多く、先行逃げ切りだった。追い上げられても焦らなかった。選手を讃えたい」と微笑んだ。松崎がMVP、さらに金近が白鷗の脇とともに得点王を獲得するなどタレント揃いのチームだった。4年生の今後、さらに来年以降の東海大学にも期待したい。

インカレ2022 決勝 東海大学 白鴎大学
インカレ2022 決勝 東海大学 白鴎大学

 また白鷗大学からは、網野友雄監督、#0関屋心、#2脇真大、#25ジョエル・モンガ、 #33杉山裕介、#35ミサカボ・ベニが会見に臨んだ。
 杉山は1クォーターについて、「自分がもっとガードとしてゲームを組み立てられればよかった」と悔やみつつ、後半、「白鷗らしく粘り強く追いつき、逆転できたことはよかった」と振り返った。また脇は「4年生が自分にエースとしてプレーさせてくれていることに感謝している。勝たせられなかったのは自分の責任だ」と唇をかんだ。

インカレ2022 決勝 東海大学 白鴎大学
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 網野監督には、4年生に対し言い続けたこと、今伝えたいことを聞いた。現4年生の新人の頃からを振り返り「個人はすごく能力を持っているが、なかなか一つにまとまらなかった」のだという。その中で、「チームをまとめること、人に関心を持つこと」を選手たちに言い続けてきた。結果として、「キャプテンの#7ギバ賢キダビングを筆頭に、それぞれが自覚を持ち、なんとかチームのために自分の持っているものを自己犠牲を払いながら出すようになった」と、教え子たちの成長を「嬉しく思う」と語った。
 さらに卒業していく4年生の今後について、「これから先の自分たちの物語。いいことも悪いこともあると思うが、そこに決して満足することなく色々なものを吸収し、さらに成長してほしい」とメッセージを送った。

インカレ2022 決勝 東海大学 白鴎大学
インカレ2022 決勝 東海大学 白鴎大学

 準優勝、悔しい結果となった白鷗大学。卒業しそれぞれの道へ進む4年生、いつか長い人生この悔しさが生きる時が来る。優勝を果たした東海大学も、昨年準優勝の悔しさ、白鷗大学に敗れた雪辱を誓い、努力を重ねてきた。来年もまた挑戦する下級生の選手たちは、この悔しさを糧にまたインカレに戻ってきてもらえたらと思う。

文:木村英里
企画・写真:Rune




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