自分たちの運命は自分たちが握っている 川崎ブレイブサンダース ニック・ファジーカス

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バイウィーク明け、中地区首位を走る三遠ネオフェニックス(以下・三遠)との一戦に臨んだ、中地区3位の川崎ブレイブサンダース(以下・川崎)。3月20日に川崎市とどろきアリーナで行われた試合、川崎は#35ジョーダン・ヒースが復帰したのに対し、三遠は#4コティ・クラークと#14金丸晃輔の主力2人を欠く苦しい展開となった。最後は101-78と川崎が快勝した。

自分たちの運命は自分たちが握っている 川崎ブレイブサンダース ニック・ファジーカス balltrip MAGAZINE(ボールトリップマガジン)

試合後、川崎の#22ニック・ファジーカスは、「この試合を目標にしっかりとバイウィークを過ごしてきた。ヒースも戻り100パーセントのチーム状態で戦うところまで持ってくることができた。ここから先、勢いを掴んでいこうというところ。チャンピオンシップ(以下・CS)に出るためにしっかり勝たなければいけない。その勢いを持ったまま進出し、大きなことを成し遂げなければならない」と試合を総括した。

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しっかり過ごすことができたというバイウィークについて、ファジーカスは「天皇杯で琉球ゴールデンキングスに負けた後、戦う準備ができていなかったことが大きな問題点だと思った。バイウィーク中は、どれだけ高い強度でチーム内競争するかが大事で、今回はラインナップを変えたり、スコアを付けたり、シチュエーションを作ったり、試合に近い状況を作り、練習中にも競争することがテーマだった。それが功を奏した。練習ばかりではつまらなく飽きてくるもの。練習という鳥籠に囲まれていたが、試合ができて羽ばたけた。しっかり積み重ねたものを発散できた」と、ユーモアを交えながら振り返った。

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バイウィーク明けの試合、「ロッカールームの中でも、俺たちはできるんだと意識付けできたことが大きかった」とファジーカスは続けた。三遠戦を前に、チームは自分たちのパフォーマンスに照準を合わせることができていた。
「このチームが100パーセントの状態でプレーすることがすごく大事。この試合は自分たちの中でも最初の一歩で、自分たちがどれだけできるのか証明できる機会だと捉えていた。この2、3ヶ月は怪我もありチームは思うようにプレーできず結果も伸びず、一番苦しかった。このタイミングでヒースが戻ることもわかっていた。ここから先は自分たちが強いチームだと証明できるチャンス。どこが相手であっても関係なく、今日は自分たちができるんだということを証明したかった」と明かした。

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この日、最初の得点を挙げたのは#12野﨑零也だった。スリーポイントシュートが決まり、チームは勢いに乗った。「ファーストシュートが決まったことは良かった。その後立て続けに落としてしまった。3クォーターには、自分のためにセットを組んでくれたにも関わらずファーストシュートを落としてしまった。決め切らないといけない」と反省点も多い。
そんな野﨑だが、2023年12月6日にアウェーで行われた三遠戦でも、3ポイントシュートを決め、さらにフリースローも沈める4点プレーを2度決めるなど活躍していた。「得意ではないが、三遠戦はすごくいい感じで打てているイメージがあった。そのイメージは常に忘れずやろうと思っていた。どの試合もいい入りができたら」と笑顔で語った。残りのシーズンでファジーカスが語る「強いチームだと証明する」ためには、野﨑の活躍も欠かせない。

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「地区首位を争っていたり、地区首位を走っていてどう守るかだった」とファジーカスも話す通り、これまでにない順位で目指すCS進出争い。「ここからは落とせる試合は一つもない。毎試合がCSのような強度で目的を持って戦う。ここから勢いをつけるためには勝ち続けるしかない。他のチームの勝敗の要素もあるし考えなくてはいけないこともあるが、自分たちにできることは勝つことだけ。自分たちの運命は自分たちが握っている。ここで勝ち続けていけば、CSのスポットに入れると信じている。試合をどれだけ大事に、重要だと理解して臨めるかだ」と、静かに語りながらも力強い言葉を並べた。今シーズン限りでの引退を表明しているファジーカス。できる限り長く一試合でも長く、ファジーカスのプレーを見たいものだ。

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文:木村英里
写真:オガワブンゴ

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