2024年に入り、アルバルク東京、サンロッカーズ渋谷（以下・SR渋谷）、仙台89ERS（以下・仙台）とアウェーで対戦。その間、天皇杯での勝利があったものの、リーグ戦では5連敗と苦しんでいた川崎ブレイブサンダース（以下・川崎）。1月26日27日にかけて川崎市とどろきアリーナで行われたホームゲームでは、秋田ノーザンハピネッツ（以下・秋田）を迎えた。
GAME1を87-69、GAME2を80-67で勝利し連勝した川崎。SR渋谷戦以降体調不良でチームを離れていた#12野﨑零也がこの秋田戦から復帰し、両試合とも10得点の活躍で勝利に貢献した。自身不在の中、連敗を重ねるチームをどのような思いで見つめていたのか。秋田戦GAME1終了後に話を聞いた。
「体調不良でチームに迷惑をかけた。5連敗と厳しい状況の中、これ以上迷惑をかけるわけにはいかない」という思いでコートに立った。苦しむチームを俯瞰で見ながら、「今どこが悪いのか、何が上手くいっていないのか、足りていないものは何かを考えながら見る機会になった」と振り返る。
野﨑は、「ディフェンスの強度が足りないと感じていた。SR渋谷戦はディフェンスゲームだったが、要所でやられていた。仙台戦は2戦とも前半で10点差以上つけられ後半追いかける展開だった。あれだけ点差を取られると厳しい。一人一人が強度を上げればもっと点差を減らせるのでは」と感じながらチームメイトを見つめた。
チーム合流後は、SR渋谷戦、仙台戦を見て気付いた点を伝えたという。ディフェンス面以外も、川崎は「オフェンスのミスからディフェンスに引きずってしまう部分があった。それでは元も子もない。常に試合などはディフェンスファーストであることを意識して発言するようにしている」のだという。
GAME1を振り返りながら、課題面について、「まだまだかな。チームで各クォーターを勝ち切ろうと話していたが、最終クォーターは4点差で負けていた。69点取られたがもっと抑えられたはず。前半で40失点。やられてはいけない選手にやられてしまったり、イージーなレイアップシュートを決められたりした。そういった部分を気を引き締めて突き詰めなければいけない」と前を見据えていた。
「元気にはしているけど、無理しているのかな」と、合流後のチームの雰囲気を感じ取っていた。連敗が続けば自信を失うこともある。
「僕が戻って、少しでも笑顔にさせることができればいい。（#7篠山）竜青さんもシュートがなかなか入っていなかったが今日は決めていた。反省しているが僕もレイアップを落としてしまったから、竜青さんからは『なんか安心した』と言われた」と恥ずかしそうに笑った。
今シーズン、チームに加入した野﨑もすっかり川崎に欠かせないピースとなったようだ。フィジカルを武器にハードなディフェンスでも連勝に貢献していたが、それだけではなく秋田戦ではチームの雰囲気を変える役割をも担っていた。
ようやく連敗を脱出しトンネルを抜けた。
「みんなほっとしているのではないか。でも危機感がまだあると感じている。劣勢には変わりない。またここから連勝を続けてチームの勢いを取り戻したい」
31日には野﨑にとっては古巣でもあるファイティングイーグルス名古屋戦が控えている。川崎が連勝を重ねられるか注目したい。
