変化の先にある進化 シーホース三河 須田侑太郎 balltrip MAGAZINE(ボールトリップマガジン)

変化の先にある進化 シーホース三河 須田侑太郎

10月24日、TOYOTA ARENA TOKYOで行われたアルバルク東京とシーホース三河の一戦。試合は第4クォーター、ダバンテ・ガードナーや西田優大が得点を重ね、三河が勝負どころで突き放し、91-82で勝利を収めた。
昨シーズンまで三河を率いていた、A東京のライアン・リッチマンヘッドコーチの古巣との対戦という側面も持つ試合だった。「今日はリッチマンのために」と、A東京の選手たちにも、そんな思いがあったという。

変化の先にある進化 シーホース三河 須田侑太郎 balltrip MAGAZINE(ボールトリップマガジン)

試合後、リッチマンHCは古巣の選手たちの活躍を振り返った。
「大事な時間にガードナー選手や西田選手にやられてしまった。彼らがあのようなパフォーマンスをするのを3年間見てきました。味方の時はよかったけれど、相手としては悪夢だなと思いました」
対する三河の久保田義章にとっては、ただの勝利ではない、恩返しの勝利になった。
「3年間、リッチマンHCと一緒にやってきて、自分を変えてくれた人だと思っています。彼の目の前でいいパフォーマンスができたことは、彼への恩返しができたのかなと思います」
久保田にとって、リッチマンHCは単にプレーを指導してくれたコーチではない。
「アスリートとしてのあり方や、コンディション面などパフォーマンスの出し方を教えてくれました。大きな存在です」

変化の先にある進化 シーホース三河 須田侑太郎 balltrip MAGAZINE(ボールトリップマガジン)
変化の先にある進化 シーホース三河 須田侑太郎 balltrip MAGAZINE(ボールトリップマガジン)
プレーオフ出場へ。安齋竜三HCが得た手応え

試合後、会見に臨んだ三河の安齋HCは、次のように振り返った。
「ライアンHCのことをよく知っているアシスタントコーチもいて、スカウティングからしっかり準備ができました。そして、選手たちが40分間、自分たちがやろうとしていることをやり続けてくれた結果だと思います」
そしてこの試合、今シーズン、B.PREMIERで自分たちがどこまで戦えるのか。その現在地を確かめていた。
「このリーグで自分たちがどういう位置に行けるのか。プレーオフのような気持ちで臨んでいました」

変化の先にある進化 シーホース三河 須田侑太郎 balltrip MAGAZINE(ボールトリップマガジン)

そして、この先もしっかり見据えていた。
「この先も厳しい試合がずっと続くと思いますし、プレーオフに行けるかどうか、本当にわからない状況です。東地区のトップにいるチーム相手にも、しっかり自分たちがやるべきことをやり続ければ戦っていけることが、まず一勝ですが今日証明できました」
一つの勝利を手応えに変えながら、目標に向けて歩みを進めていく。
「プレーオフにまず出ることが僕の使命であり、チームとしても譲れないところ。そこへ向けて頑張り続けるしかないです」

「変化」から「進化」へ。須田侑太郎が感じるチームの今

新たなコーチ陣のもとで、三河はどのように変わろうとしているのか。その問いに、須田侑太郎は「変化でもあり、進化でもある」と表現した。リッチマンHC体制で積み上げてきた3年間。その時間を振り返りながら、須田は大事な試合を勝ち切るために何が足りなかったのかを考えていた。
「ビッグゲームで勝ち切れない、足りなかったところは何なのか。今は、個性が強くてインパクトのあるコーチたちが来てくれて、日頃から練習の細かいところまで厳しく指摘してくださいます」
求められているのは、コート上のプレーだけではない。練習に取り組む姿勢や、細かな部分へのこだわり。オフとのメリハリをつけることも大切にしているという。須田は、そうした日々の積み重ねが、チームに良い習慣やカルチャーをもたらしていると感じている。

変化の先にある進化 シーホース三河 須田侑太郎 balltrip MAGAZINE(ボールトリップマガジン)
変化の先にある進化 シーホース三河 須田侑太郎 balltrip MAGAZINE(ボールトリップマガジン)

安齋HCの指導については次のように語る。
「竜三さんの言葉には一貫性があります。すごく大事だなと思うことをズバッと言われて、僕もなんとなく感じていたことを言葉にしてもらえるので、そうだよなと。反論はないんです(笑)」
実際、昨シーズンまでと比べて、須田自身がチームに意見をする機会も良い意味で減っているという。それだけ、安齋HCの言葉に納得できる部分があるのだ。
大学卒業後、栃木ブレックス(現・宇都宮ブレックス)に入団した須田。安齋HCとは、選手とコーチとしてともに過ごした時間がある。だからこそ、安齋HCの指導の根本にあるものを理解している。
「日々の練習などから、ふわふわしてしまうところがあるチームなので、言われるのではなく自分たちから取り組んで、変化しながら進化していきたい」
指摘されてから直すのではなく、自分たちで気づき、行動する。そうした意識をチームに根づかせることが、さらなる成長につながると考えている。

変化の先にある進化 シーホース三河 須田侑太郎 balltrip MAGAZINE(ボールトリップマガジン)

その変化は、A東京戦のコート上にも表れていた。
「嫌な流れも2、3度ありましたけど、しっかりそこを堪えて乗り越えられました。自分たちの流れに戻すようなリバウンドやルーズボールをしっかりやる。そういうことを経験できた試合だったと思います」
「完璧な試合ではなかったし反省点も多い」というが、それでも苦しい時間帯を耐え、勝ち切れたことがチームにとって一つの経験となったはずだ。
三河は、こうした試合を一つひとつ愚直に積み重ねながら、昨シーズンまでに足りなかったものを身につけ、プレーオフ進出、そしてその先を目指していく。

文:木村英里
写真:シーホース三河

関連記事一覧