ベテランも若手も関係なく誰がコートに立っても同じ強度でプレーしなければ 秋田ノーザンハピネッツ 田口成浩
前節、長崎ヴェルカに連勝した秋田ノーザンハピネッツ(以下・秋田)は、1月26日27日に川崎市とどろきアリーナで川崎ブレイブサンダース(以下・川崎)戦に臨んだ。
秋田は、#00スティーブ・ザック、#2藤永佳昭、#6 赤穂雷太が怪我、#51古川孝敏が体調不良のため欠場。前節負傷した#24保岡龍斗も帯同していたがコートに立つことはなく厳しい戦いを強いられ、GAME1を69-87、GAME2を67-80と落とし残念ながら連勝を伸ばすことはできなかった。
GAME2では前半に#15タナー・ライスナーも負傷し、後半はベンチから試合を見つめていた。GAME2終了後、会見に臨んだ前田顕蔵ヘッドコーチ(以下・HC)は、「なかなか難しい状況になってしまった。選手たちはGANE1に比べればやろうとしている部分は見えて頑張っていたが、チームとしての総合力は川崎が上だった。少ない人数の中でどれだけ質の高いものを出せるのか。これだけターンオーバーをしてはいけない(この試合のターンオーバー数は17)。ディフェンスのエラーをしてはいけない。それでは勝てない。個人が見つめ直さなければ」と述べた。
また、#5田口成浩は「いるメンバーで戦わなくてはならないタフな状況の中で、GAME1は引いて守り後手に回ってしまった。GAME2は攻めるディフェンスをしようという前田HCからの指示を受け、出だしからプレッシャーをかけた。昨日よりアグレッシブにできたと思う。勝ちきれなかったが、厳しい状況でもこのような展開に持って行けたのはポジティブに考えてもいいのではないか」と川崎戦を振り返った。
25日、秋田は、特別指定選手として東海大学4年の#12元田大陽と、ザック復帰までの間の短期契約として#7アンジェロ・チョルの加入を発表。川崎戦から出場した。2選手のプレーについて前田HCは、「元田選手に関しては今日はあまり判断は良くなかったが、ディフェンスの部分と、昨日のような思い切りの良いプレーは彼の強み。スリーポイントシュートもドライブもしっかり判断しながらミスなくプレーしてくれれば、戦力として期待できる。そしてチョル選手はスクリーナーとしてペイントをしっかり守るという部分で期待をしている。彼がスクリーンをかけることで他の選手が空いたり、もしくは彼が得点を取れたりする。今日の後半も彼がいなかったら本当にしんどかった。まだ日は浅いが今日も20分強プレーしてくれて良かった」と語った。
怪我に苦しむ秋田にこのタイミングで加わった点について、田口は「元田にとってはチャンスだ。出場機会ももらえる。ルーキーだからという気持ちではなく即戦力になるという強い気持ちで、失敗を恐れずにプレーをしてほしい」とエールを送った。GAME1でもアグレッシブなプレーを見せていた。秋田に新しい風を吹き込んでもらいたい。
また、チョルについても、「身体能力がある。選手間の呼吸はまだ合わせるには時間が必要だが、性格も真っ直ぐな選手。チームのために戦ってくれている。よく来てくれたという気持ち。早く慣れてもらいたい」と期待を寄せている。
シーズン後半戦に入り、怪我人の多さに苦しみながらも課題と向き合い戦い続けなければならない。「秋田のスタイルができている時とできない時の差が激しい。いい時は勢いがあるが、だめな時は明確にディフェンスの強度が落ちていてHCから指摘されてからやり始めることもある。常にベースを高く、さらに上げていかないとチームとして良くはならない。次も行けるだろうとベースを下げ戦ってしまう。続かないことが課題だ」と冷静にチームの現状を受け止めている。
今シーズン序盤は苦しい試合が続いていた。シーズン途中に、ライスナーや#32ハビエル・カーターが加わりチームは一気に上向いた。CS圏内で争う今、「こうした連敗は気持ちが落ちてしまう。僕たちはどこを目指すのか常に考えながら、ベテランも若手も関係なく誰がコートに立っても同じ強度でプレーしなければ」と気を引き締め直した。
31日には、ホームCNAアリーナ☆あきたで茨城ロボッツを迎える。
「チームの状況は厳しいが、だからこそ若手も僕もチャンスだと思って、パフォーマンスを上げられる時間帯を伸ばしたい。自信を持って、この敗戦を活かし戦っていきたい」
年齢は関係ない。ピンチをチャンスに変える。田口の思いが秋田の選手たちにも届くことだろう。次節は、なんとしても勝利を掴みたいところだ。