川崎ブレイブサンダース ニック・ファジーカスの離脱にも「何が何でも這い上がるしかない」

川崎ブレイブサンダース ニック・ファジーカスの離脱にも「何が何でも這い上がるしかない」

川崎ブレイブサンダース(以下・川崎)は1月6日7日にアルバルク東京(以下・A東京)と対戦。GAME1では今シーズン限りでの引退を発表している#22ニック・ファジーカスが、第1クォーター序盤に負傷交代するというアクシデント。翌日、クラブより左ヒザ関節内側側副靭帯損傷で全治未定との発表があり苦しい2024年の幕開けとなった。

川崎ブレイブサンダース ニック・ファジーカスの離脱にも「何が何でも這い上がるしかない」

今回はファジーカスにとって来日後、最も大きな怪我だろう。GAME1のハーフタイムには、ロッカールームに戻った佐藤賢次ヘッドコーチ(以下・HC)はファジーカスに「ニックの分も頑張るよ」と声をかけたという。しかし第4クォーターで突き放された川崎は79-94と敗戦。

川崎ブレイブサンダース ニック・ファジーカスの離脱にも「何が何でも這い上がるしかない」
川崎ブレイブサンダース ニック・ファジーカスの離脱にも「何が何でも這い上がるしかない」

続くGAME2では、ファジーカスに加え、コンディション不良で#35ジョーダン・ヒースも欠き苦しい戦いを強いられた。第1クォーターこそ#0藤井祐眞がスリーポイントシュート5本を含む17得点を叩き出すなど気迫を見せるも徐々に点差が開き、76-99と連敗を喫した。

川崎ブレイブサンダース ニック・ファジーカスの離脱にも「何が何でも這い上がるしかない」

GAME2終了後会見に臨んだ佐藤HCは、1月1日に発生した令和6年能登半島地震を受け「昨日に続き試合が出来ることに感謝し、少しでもスポーツの力で心に残るものを作るというテーマと、ファジーカスとヒースが不在でインサイドの要がいない中どうステップアップしていくかが大きな課題だった。随所に選手たちがいいファイトを見せてくれたし、昨日よりもディフェンスラインを上げてこっちから仕掛けられていた時間もあった。内容的には、いい前半を作れていたが、前半の終わりに相手にランを作られたことがポイントだった。

川崎ブレイブサンダース ニック・ファジーカスの離脱にも「何が何でも這い上がるしかない」
川崎ブレイブサンダース ニック・ファジーカスの離脱にも「何が何でも這い上がるしかない」

A東京の#23レオナルド・メインデルを藤井に付けてボールを停滞させられた時に対処できなかったことが大きかった。後半対処しようと指示したが後半の出だしもうまくいかず点差に繋がった。またリバウンドも27本差、セカンドチャンスも20点差と響いた。わかっていたことだが、そこをチームでどれだけカバー出来るかだった。もう少しコントロール出来れば」と振り返った。

川崎ブレイブサンダース ニック・ファジーカスの離脱にも「何が何でも這い上がるしかない」
川崎ブレイブサンダース ニック・ファジーカスの離脱にも「何が何でも這い上がるしかない」

12月の5連敗などもがいていた矢先のファジーカスの離脱と少なからず動揺はあった。それでも藤井や#25ロスコ・アレンをはじめ、それぞれのプレーから奮闘ぶりと思いが伝わってきた。キャプテン#7篠山竜青は「アウェーにもかかわらずたくさんの応援があった。点差が離れて苦しい時間もあったが最後まで後押しをしてくれた。改めてファミリーの力を感じたゲームだった。何とか苦しい状況だが、気持ちを見せて何か感じてもらえるような試合をしなければいけないと改めて思った。天皇杯はホームで開催できる。そこでしっかりといいパフォーマンスができるようにしなければ」とファンへの思いを口にした。

川崎ブレイブサンダース ニック・ファジーカスの離脱にも「何が何でも這い上がるしかない」
川崎ブレイブサンダース ニック・ファジーカスの離脱にも「何が何でも這い上がるしかない」

ラストシーズンに大きな試練となった川崎だが、既に10日には天皇杯の長崎ヴェルカ戦が控えている。ファジーカスに依存することはもうできない。チャンピオンシップに向けても、来シーズン以降に向けても、選手個人もチームも成長が求められる。ファジーカスが戻ってきた際により強力なチームになれるよう取り組むと篠山は明言していた。試練に耐え、乗り越える姿をファンに見せたいところ。

川崎ブレイブサンダース ニック・ファジーカスの離脱にも「何が何でも這い上がるしかない」
川崎ブレイブサンダース ニック・ファジーカスの離脱にも「何が何でも這い上がるしかない」

佐藤HCは総括の最後に、「このゲームを次に繋げたいし何が何でも這い上がるしかない」と静かに、言葉を絞り出すように語った。

文:木村英里
写真:佐渡一翔、Rune

関連記事一覧