福島ファイヤーボンズ敗退 乗り越えられなかった壁

福島ファイヤーボンズ敗退 乗り越えられなかった壁

 5月6日にこけら落としとなった、佐賀市のSAGAアリーナで、佐賀バルーナーズ(以下・佐賀)とのB2リーグプレーオフクォーターファイナルに挑んだ福島ファイヤーボンズ(以下・福島)。6日に行われたGAME1では56-74、翌7日に行われたGAME2は63-74と両日敗戦、昨シーズンに引き続きクォーターファイナルで敗退となってしまった。

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 GAME2終了後、会見に臨んだ福島の佐野公俊ヘッドコーチ(以下・HC)は、「佐賀が非常にインテンシティの高いバスケだった。連日、ディフェンスの圧力がある中で、なかなかオフェンスがうまくいかない時間帯はあった。しかしディフェンスでしっかり我慢をして大きく離されることなくプレーできた面もあった」と試合を振り返った。

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 また#6長谷川智伸は、「気持ちやプレーのタフさ、ハードさが佐賀の方がギアがひとつふたつ上だった」と感じた。GAME1の前半にファウルが混んでしまったことを悔やみながら「欲を言えば、佐賀のボールハンドラーに対してもっとハードにディフェンスできればよかった。シュートも、より責任感を持って決め切りたかった」と振り返った。
 キャプテンの#8村上慎也は、「2日間、佐賀のインテンシティの高さを崩すことができなかった。相手のスカウティング力や、ディフェンス力の高さを見せつけられた」と佐賀との差を痛感していた。「スカウティングから、どう守るのかを徹底している。ペイントをやらせないということが伝わってきた。遂行力が高かった。対して自分たちは、注意していた(佐賀の)#2レイナルド・ガルシアにイージーにスコアされるなどしてしまった。40分間やり続ける力、意識。個々の力に加えてチームの遂行力、共通理解が、より短期決戦では大事だ」と試合後に悔やみながら語った。

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 昨年12月に加入した#12土家大輝は厳しい戦いを終えて、「2試合を通して、シュートではいい流れでパスを受けた時は決めきることができると手応えがあった。しかし(GAME2の)4クォーターでは、長谷川選手からいいパスを受けたのに考えすぎて力が入り決めきれなかった。自分の弱さも実感した。ディフェンスでも、サイズが相手より劣っている分、ピックアンドロールを使われた時に自分のところをきっかけに得点を許している」と感じ、手応えと課題両面が残った。

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1日早く、越谷アルファーズ対西宮ストークス、長崎ヴェルカ対熊本ヴォルターズのクォーターファイナルが幕を開けていた。「試合を見て、画面越しからレギュラーシーズンとは異なることや、選手たちの気合いの入り方が違う」と思った。「いざ自分たちの試合に入っても、雰囲気も違うし絶対に落としてはいけないというプレッシャーがひとつひとつのプレーから違った」と振り返った。その中で、チームメイトには、昨シーズンもプレーオフを戦ったメンバーがいた。ベンチから出る時、戻るたびに「思い切りやってこい」「いいシュートだったよ」とポジティブな声をかけてもらっていた。「福島に来て、得たものは、この先どこに進んでも活かしていきたいし、来シーズンはもっと勝負どころで得点し、チームを勝たせられるガードに成長したい」と前を向いた。悔しさを糧に、また土家は大きく飛躍してくれるだろう。

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 シーズンを通して、なかなかいい流れを作ることができなかった。佐野HCは、「シーズン当初、足踏みをしてしまった。大枠を決めすぎ、選手たちに自由と選択肢を与えすぎてしまった。チーム内でルールを作るなど明確なものをもう少し作っていれば、と課題に思っている」とレギュラーシーズンを振り返った。もちろん、「負け越したのちに、インサイドを起点にワイドオープンのシュートを打つなど、自分たちの強みを理解しできた」とチームとしての成長もあったが、昨シーズンと同様、クォーターファイナルの壁を越えることができなかった。

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 今シーズンを振り返ると、福島は自身のミスから失点し敗戦するという似た展開が多く、負け癖がついてしまっていた。長谷川は、「それが僕らの弱さなんだろうと思う。頭では理解していて、ミーティングでも話をしていたが、負ける時は同じやられ方、展開になってしまった。シーズンを通してプレーオフまで変わることができなかった。チームとしてのクオリティの低さや個人の意識や弱さが繋がっている」と厳しい言葉で語った。学びは大きい。

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 村上は、今シーズンの戦いを終え、「このチームにずっとお世話になっていて、このチームをB1へ昇格させたいと思い挑んだ。2日間、個人的にはリズムに乗れず悔しい結果になってしまった。チームのために何かできることはないかとベンチで声を出し続けた。このチームを勝たせたかった。うまくキャプテンとしてチームを一つにまとめられなかった。個人としてもより成長しなければ」と痛感した。なかなか、まとまりきれずにいたチーム。その歯痒さ、もどかしさはどの選手も感じていた。

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 今シーズンは、「ヘッドコーチが変わるなど変化があり、よりチームのためにベテラン選手として自分が何ができるのか、貢献できることを行動で示していかないと。#5友利健哉選手がやってくれていたりするが、自分もそういう部分でチームの勝利のために考えていきたい。来シーズン、より自分が成長したい。B1昇格を改めて誓い、福島のみなさんのために頑張りたい!」と決意を新たにした。

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 このプレーオフにオープンしたSAGAアリーナは九州屈指の環境であった。どの客席からも見やすく空間にゆとりがある。音響も整っている。GAME1は4808人、GAME2では4544人もの観客が詰めかけた。来場者にはチームカラーであるブルーのTシャツが両日配布され、会場の一体感が強く演出された。佐賀を後押しする歓声は福島を圧倒した。

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佐野HCは昨シーズンはアシスタントコーチとして仙台89ERSとのプレーオフに臨んだ。その際もアウェーでの戦いだった。「僕らもプレーオフをホームで開催することを目標にシーズンを戦ってきた。ホームのブースターの声援は非常に力になり、勢いを呼ぶ。自分たちのホームで開催することがベストだ」と改めて感じさせられた。

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SAGAアリーナまで福島から応援に駆けつけたファンの方々が、福島ベンチ周辺を中心に声援を送り続けていた。試合後、涙を流すファンの姿が印象に残った。来シーズンは、レギュラーシーズン上位、プレーオフのホーム開催を確実なものにしたいところである。

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 佐野HCは会見の最後、「B1リーグ昇格は叶わなかったが選手たちを誇りに思うし、僕自身の力不足もあった。苦しい時期も選手間でも話し合い乗り越えてくれた。HC1年目、さまざまな経験をして勉強ばかりだった。佐賀とのプレーオフでも次に向かっての学びが多かった。来シーズンも、B1昇格に向けて挑んでいきたい」とまとめた。この悔しさをばねにクラブとしてどのように来シーズン以降に繋げることができるのか。福島の新たな挑戦がまたはじまる。

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文:木村英里
写真:オガワブンゴ

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