みんなあの舞台でやるべきだ 福島ファイヤーボンズ 友利健哉

みんな、あの舞台でやるべきだ 福島ファイヤーボンズ 友利健哉

 11月5日6日と埼玉県にある越谷市立総合体育館で行われた、越谷アルファーズ対福島ファイヤーボンズ。シーズン開幕からの9試合、3勝6敗という苦しい立ち上がりの中、敵地に乗り込んだ福島。好調な越谷を破り弾みをつけたいところであったが、GAME1を62-73、GAME2は76-82と残念ながら連敗となった。

みんなあの舞台でやるべきだ 福島ファイヤーボンズ 友利健哉

 佐野公俊ヘッドコーチは、「勝負所でコミュニケーションミスが起こる。もっと高めないと相手に得点を許してしまう」と試合後の会見で振り返った。最終局面、今シーズンアルバルク東京から移籍したベテランの#13菊地祥平が率先して声を掛けハドルを組み、コート上の選手たちに力強く話しかけていた。最後に勝ち切るために、今何が必要なのか。

 試合後、チーム最年長の#5友利健哉に話を聞くことができた。「ヘッドコーチが変わり、メンバーも変わった。リーダーが変わるのは大きなこと」と改めて実感する。「チームとしての価値観とは何か」模索中だ。チームとして一から作り始めたばかり、その中ではもちろん摩擦や衝突もある。「コーチ陣や選手間で話し合う中で、自分たちの規律や文化を築き上げようとしている」がうまくいかないジレンマがあるのも事実。それでも折れず、「この過程にフォーカスし集中すること」ができるか。「スポーツとしての難しさと楽しさだなと思う」と微笑む姿を見ると、友利にだからこそ感じる、見えるものがあるのだろう。

みんなあの舞台でやるべきだ 福島ファイヤーボンズ 友利健哉
みんなあの舞台でやるべきだ 福島ファイヤーボンズ 友利健哉

 練習では「危機感を持ち、選手からもこれではダメだと声が出ている。まだまだ良くなる」と感じることができる。自分のことを「口うるさいおじさん」という友利は38歳になった。これまでのキャリアで「いい時も悪い時も様々経験した」からこそ、今どこにフォーカスすることが大事なのかが理解できる。「良い悪いのルールを共通認識として持つことやその規律を守ること。そして自己犠牲も忘れてはならない」。

みんなあの舞台でやるべきだ 福島ファイヤーボンズ 友利健哉
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 越谷に敗れた差の例として「ボールへの執着心、ルーズボールや最後のリバウンド」などを挙げた。自分達でコントロールできる部分。「できるスタンダードを上げ、負けないように」しなければならない。「お世話になった佐野HCに恩返しをしたい」という友利は、まず一つ、練習から先陣を切って高いスタンダードを示すことで貢献しようとしている。

みんなあの舞台でやるべきだ 福島ファイヤーボンズ 友利健哉

昨シーズン、プレーオフに出場することができた。B1リーグ昇格のために補強もした。これだけ期待を受ける中で、その期待に応えられていない現状。前述の越谷の菊地もベテランとして、行動で示し、言葉で伝え、すでに新しい仲間の精神的支えにもなっていた。「このままでいいのか。目標はどこなのか。嫌われる覚悟で、言い続けたい」と、時に厳しい言葉も口にする。

みんなあの舞台でやるべきだ 福島ファイヤーボンズ 友利健哉
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 友利の言葉の裏には、まず見ている人がワクワクするバスケットボールをしたいという思いがある。福島のバスケットボールとは、追求の日々はまだまだ続く。
 そしてもう一つ。「若い選手たちにはもっともっと経験してほしい。このメンバーで成し遂げたい」と願っている。9月10日に行われた仙台89ERSの金城茂之アシスタントコーチの永久欠番セレモニーに参加した。その際、沖縄アリーナで琉球ゴールデンキングスと仙台のプレシーズンゲームを観戦。それ以来「みんな、あの舞台でやるべきだ」と強く思うようになった。「それだけ力のある選手たち」とひときわ力を込めた。

みんなあの舞台でやるべきだ 福島ファイヤーボンズ 友利健哉
みんなあの舞台でやるべきだ 福島ファイヤーボンズ 友利健哉

先がある後輩、たくさんの可能性を秘めている後輩を思う友利の言葉は胸に響いた。何より、沖縄アリーナで仲間にプレーをしてほしいと語る友利の目はキラキラ輝いていた。口うるさいだけではない。その裏に隠れた後輩への愛情が届くと信じたい。そして、チーム一丸で福島のバスケットボールの形を作り上げてほしい。

みんなあの舞台でやるべきだ 福島ファイヤーボンズ 友利健哉
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文:木村英里
写真:Rune




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