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目標である優勝へ向けてのひとつの足掛かりとなるだろう 川崎ブレイブサンダース ニック・ファジーカス

目標である優勝へ向けてのひとつの足掛かりとなるだろう 川崎ブレイブサンダース ニック・ファジーカス

 4月12日、川崎市のとどろきアリーナで行われたサンロッカーズ渋谷(以下・渋谷)戦に勝利し、川崎ブレイブサンダース(以下・川崎)が「日本生命 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2022-23」へ6大会連続6回目の出場を決めた。

目標である優勝へ向けてのひとつの足掛かりとなるだろう 川崎ブレイブサンダース ニック・ファジーカス

 試合後、川崎の佐藤賢次ヘッドコーチ(以下・HC)は、「出だしは重たい展開でオープンのシュートが決めきれず、イージーシュートも入らず波に乗れなかった。後半、3クォーターにしっかりと勢いを作れたことがよかったと思う」と振り返った。川崎は3クォーターだけで46得点。これは、1つのクォーターにおけるB1リーグ最多得点となった。

目標である優勝へ向けてのひとつの足掛かりとなるだろう 川崎ブレイブサンダース ニック・ファジーカス
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「プレーの切り替えが早く、どんどんアタックする。素早い攻めで流れを作る」渋谷を相手に、前半は苦労した。しかし後半に入り、「ゾーンディフェンスを敷くことで、相手がやりたいことを潰し流れを掴ませないように」対策。ゾーンディフェンスが効き、「リバウンドが取れ、しっかり走ることができたことが大きい。流れを掴めたときに、ホームコートの勢い、選手たちのムードが一体となってここまで得点が伸びたのだろう」と指揮官は振り返った。

目標である優勝へ向けてのひとつの足掛かりとなるだろう 川崎ブレイブサンダース ニック・ファジーカス
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 この試合も#23マット・ジャニングを欠く川崎だったが、#22ニック・ファジーカスが28得点14リバウンド9アシストと大車輪の活躍。さらにファジーカスは、史上初のB1リーグ個人通算4000リバウンドを達成した。試合後、MVPにも選出された際にはファンへ向け、「4000リバウンドは記念すべきこと。自分が川崎でここまでやってきた積み重ねだ。入団当初は若い選手だったが、リーグ内では年齢も上になってしまった。年齢とともに重ねられる記録。達成をうれしく思う」とコメントした。

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 その後、会見に臨んだファジーカスは、「ここから先、目標である優勝へ向けてのひとつの足掛かりとなるだろう。ここでしっかりとチャンピオンシップ進出を決められたことが大きい」と、勝利を冷静に受け止めていた。
 この先の戦いに必要なことは「安定性だ」と考えている。前節の横浜ビー・コルセアーズ戦を例に出し、20点近い差があったにもかかわらず「追い付かれてしまった状況があった。自分たちがリードを作ったときに、どれだけ安定してプレーができるか。今日の試合では、いい方向に進めた」と少なからず手応えを感じることができたようだ。

目標である優勝へ向けてのひとつの足掛かりとなるだろう 川崎ブレイブサンダース ニック・ファジーカス
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 佐藤HCは、チャンピオンシップへの出場決定に、「まずは第一目標をクリアした。細かく見れば課題がある。ひとつひとつの試合を大切にしたい」と語った。課題について問うと、「例えばディフェンス。ハーフコートに入ってしまえばマンツーマンディフェンスでもゾーンディフェンスでも効率高くディフェンスができる。しかし、その前に走られるといいディフェンスができない。リバウンド含め、シーズン開始当初から口をすっぱく言い続けているが、まだ今日もリバウンドを取られたシーンなどがあった」と例を挙げた。「パーフェクトはない」としながらも、より完成度を高めていきたいところ。次の目標は地区優勝。そのために「みんなでハードワークしたい」と締めくくった。

目標である優勝へ向けてのひとつの足掛かりとなるだろう 川崎ブレイブサンダース ニック・ファジーカス
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 6大会連続6回目の挑戦、ファジーカスにとってもBリーグ制覇は悲願である。現在37歳、チャンスはそう多くない。今シーズン、西地区も東地区も強豪揃い。「自分たちの強みはチャンピオンシップの常連だということ。それだけの経験がある。試合に勝つ難しさも何が必要かも、そして覚悟もわかっているはずだ。大変厳しい戦いになるだろうが、きちんと勝てるチームにしたい」と前を向いていた。それぞれが「覚悟」を持ち、チャンピオンシップに臨む。ファジーカスを中心に、残り少ないレギュラーシーズンでどこまで完成度の高いチームを作り上げられるのか。川崎の真価が問われている。

目標である優勝へ向けてのひとつの足掛かりとなるだろう 川崎ブレイブサンダース ニック・ファジーカス

文:木村英里
写真:オガワブンゴ

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