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兄弟対決 川崎ブレイブサンダース 勝久ジェフリーアシスタントコーチ 信州ブレイブウォリアーズ 勝久マイケルヘッドコーチ

兄弟対決 川崎ブレイブサンダース 勝久ジェフリーアシスタントコーチ 信州ブレイブウォリアーズ 勝久マイケルヘッドコーチ

 12月28日、各地でB1リーグ第14節が行われた。川崎市にあるとどろきアリーナで開催されたのは、川崎ブレイブサンダース対信州ブレイブウォリアーズのブレイブ対決。川崎は、佐藤賢次ヘッドコーチ(以下・HC)が体調不良により不在のため、勝久ジェフリーアシスタントコーチ(以下・AC)が指揮をとることに。図らずも、弟である信州の勝久マイケルヘッドコーチ(以下・HC)との兄弟対決が実現した。

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 試合は、信州の#24ジョシュ・ホーキンソンが26得点とチームを牽引するも、#0藤井祐眞と#35ジョーダン・ヒースがともに19得点と活躍するなど、川崎が87-78で勝利をおさめた。試合後に信州のマイケルHCは、「出だしから川崎のゾーンディフェンスに対し、いいパーセンテージでシュートを決められた。いいスタートが切れたが、ディフェンス面でミスマッチのところのダブルチームの遂行力だったり、一つ一つのディテールなど今日のため準備してきたことに対しミスが多かった。遂行力・我慢強さが足りなかった。メンタルの部分でも離されてしまった」と総括していた。また、対する川崎のジェフリーACは、「今日はチーム、スタッフ、選手一人一人が協力し団結して、ホームの力を借りて勝利できた。我慢の展開が前半は続いたが、チームで共通理解を持ち、選手同士でもコミュニケーションをとり、みんなが集中し続けた結果、後半に流れが来た」と振り返っていた。

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 試合前、HC不在で戦う選手たちに、ジェフリーACは自身が佐藤HCからかけられた言葉を共有した。今の川崎の体制は4シーズン前からスタートしている。「どんな時でもどんな状況でも、一人一人リーダーシップを発揮できるようなチーム作り」を続けてきた。今シーズン、キャプテンをあえて設定していないことも、そういった意図がある。「一人一人にステップアップしリーダーシップを発揮して欲しい。賢次さんは選手にもスタッフにも自信を持っている。みんな思い切って迷わずプレーして」と伝えた。選手たちの反応や雰囲気は、「いつも通り」だった。

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 試合を前に信州は、「川崎から新型コロナウイルスの陽性者が出たという報告」を受けた。「心配なのでジェフリーじゃないよねと連絡をしたら、僕じゃないという答え」が返ってきた。「その時は教えてくれなかったがなんとなく指揮を取り合う可能性を察した」という。

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 勝久兄弟がお互いに指揮を取り合い対戦したことは過去にもある。2015年、岩手ビックブルズ対島根スサノオマジックでのことだった。当時は、「自分が島根で彼が岩手にいて1勝1敗。高校生の頃にはひたすら1対1をやり、負けず嫌い同士フィジカルにやり合っていたが、初めての感覚で勝っても負けても喜べない。彼にも勝ってほしい不思議な気持ちだった」と、マイケルHCは当時を振り返った。実際に兄弟対決がわかり、「ジェフリーにまたあの嫌な気持ちだよ」と伝えた。

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 そんな言葉を受けたジェフリーACも、「最初はちょっとストレスもあったし心配でもあった」と明かしながら、「まさか偶然が重なって、このタイミングでこういう形でマイケルと対戦するとは。どっちが勝ってもあまり嬉しくない部分は正直ある。だけど、こういう機会は人生では滅多にない。楽しもう」と弟へ声をかけた。その言葉で「リラックスできた」というマイケルHC、いざ試合が始まると「熱くなった」と笑っていた。

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 ともにコーチという立場でBリーグに貢献する兄弟。勝っても負けても複雑というお互いを思いやる胸の内が語られること、そして勝敗に関係なく兄弟について問うと優しい笑みを浮かべながら返答する姿が、とても印象的だった。「滅多にない」貴重な対戦は、ファンにとっても熱い試合であったと同時に兄弟愛のあたたかさを感じる貴重な時間となったことだろう。

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文:木村英里
写真:オガワブンゴ




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