新指揮官と選手の間に芽生える絆 仙台89ERS

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 10月17、18日に大田区総合体育館でB2リーグ第3節アースフレンズ東京Z対仙台89ERSの試合が行われた。GAME1では#5デビン・オリバーが24得点、GAME2は#15渡辺翔太が20得点の活躍を見せチームを勝利に導き連勝を3に伸ばした。オリバーも渡辺もともにBリーグキャリアハイの得点となった。

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 今シーズンからチームを率いているのは、昨シーズン琉球ゴールデンキングスをチャンピオンシップセミファイナルまで導いた藤田弘輝ヘッドコーチだ。藤田ヘッドコーチは3節まで終え、今シーズンのB2リーグについて「方法論ではなく勢いで戦うチームが今のところ多かった印象。そこを自分たちが積み上げたものでどう戦うかだった」と語った。また現状のチームについて「外国籍選手の合流が遅れてレギュラーシーズンが始まる2週間前にチーム練習ができた状況だったがチームの共通認識はひとつずつステップアップできている」といい、試合を経ながら「コンセプトを落とし込んでいる段階」だ。

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 そして、選手たちとの関係性も既に良い形で築かれているようだ。交代でベンチに戻る渡辺へ多くの言葉を掛けるシーンが印象的だった。「交代する前にどんどんアタックして欲しいと指示を受けていたが流れが悪いままスリーポイントシュートを打ち外してしまった。遂行できなかったことをすごく怒られた」と渡辺は明かした。しかし「最後は必ず信じていると声を掛けてくれる。その期待に応えたい」と前を向く。

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 渡辺は藤田ヘッドコーチについて「会った瞬間から熱い方。バスケット人生でここまで熱い方と会ったことがない」と断言する。現在は「ポイントガードが大事なところでターンオーバーをしてしまい点差が縮まってしまうこともあり、チャンピオンシップへ向けて勝たせられるポイントガードではない。ゲームの終わりをしっかり締めてほしい」と言われている。「練習も試合でもチームの士気を上げてくれるコーチのもとでプレーができて嬉しい」という思いを胸に、渡辺は益々成長を遂げていくだろう。

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 さらに藤田ヘッドコーチの会見終盤には、後方からこんな声がした。
「スミマセン。バーレルをコーチングしてどれくらい嬉しいですか」
思わず記者陣からはクスクスと笑いがこぼれた。声の主は、何を隠そう#24ジャスティン・バーレルだったのだ。バーレルは今シーズン名古屋ダイヤモンドドルフィンズから加入した。しかし既に藤田ヘッドコーチとの関係が良好なことはこのやり取りからも窺い知れるだろう。そして、そんな質問に対し「バーレルは熱くなるイメージだがとても良い人。頭も良いし気が効くし素晴らしい」と笑いながら答える仲睦まじいシーンだった。最後はバーレルが満足気に拍手をし、会見は終了した。

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 昨シーズン、あと少しのところで叶わなかったB1昇格。選手たちからの信頼も厚く、バスケットボールへの愛情も強い情熱的な藤田ヘッドコーチを招聘し、そんな指揮官のもとで更なる飛躍を誓う渡辺選手たちの姿や言葉からは今シーズンこそはという思いが伝わってきた。まだシーズンは始まったばかり。連勝を伸ばすために、仙台は次節ホームで愛媛オレンジバイキングスを迎え撃つ。

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文:木村英里
写真:Rune

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