大阪エヴェッサ 橋本拓哉

大怪我から8割ほど回復、チャンピオンシップはまだ諦めてはいない 大阪エヴェッサ 橋本拓哉

 B1リーグ第21節、2月4日5日に大阪エヴェッサ(以下・大阪)は、敵地、東京都渋谷区にある国立代々木競技場第一体育館でアルバルク東京(以下・A東京)と対戦し連敗、連勝は3でストップしてしまった。

大阪エヴェッサ 橋本拓哉

デリック・フィッシャーヘッドコーチ(以下・HC)は、「強度の高い試合だった。前半20分はオフェンスもディフェンスも共通理解を持ってプレーできていた」と一定の評価をしつつも、敗因を2つ挙げた。「まずはターンオーバー。もうひとつはセカンドチャンスポイントを与えすぎてしまった。シンプルにボックスアウトができていないシーンが多かった。ディフェンスで相手のシステムを壊してポゼッションを止めた後、一瞬だけフィジカルが強くなることを忘れてしまいオフェンスリバウンドを取られてしまう。そこから得点が繋がってしまった」と振り返った。GAME2、A東京のオフェンスリバウンドは18本。「セカンドチャンスポイント21点に繋がっていることが大きな要因」とした。

大阪エヴェッサ マティアス・フィッシャー

 試合後、#14橋本拓哉にも話を聞くことができた。橋本も「セカンドチャンスポイントでやられてしまった」と悔やみ、「小さいミスがA東京には命取りになると痛感した」と悔やんだ。

大阪エヴェッサ 橋本拓哉

 今シーズンから就任したフィッシャーHCの下、チームはディフェンスの強化が行われた。橋本は語る。「HCからも大阪はディフェンスのチームだと言われている。ローテーションも多く、全員がフレッシュな状態でコートに立ち前から当たれることが強み」だ。
 シーズンを経るごとに、ディフェンスの質を高めてきた。指揮官は、「今日もいい仕事をしてくれた選手が何人もいた。#20合田怜は、(A東京の)#9安藤周人のプレータイム25分間のうち22分間は無得点に抑えていた。しっかりディフェンスしてくれた結果だ」と称えた。だからこそ、より高いレベルを求める。「ボックスアウトは、ディフェンスの要素の中でまだ建設中だ。過程から完了へ、ディフェンスの完成度を高めたい」と、今後も追求していく。大阪のよりハイレベルなディフェンスの完成は待ち遠しい。

大阪エヴェッサ 橋本拓哉

そしてこの2戦を経て「A東京のようなトップチームにも勝つチャンスがあった。試合の最後までわからなかった」と敗戦の中にも手応えはあった。フィッシャーHCは、「シーズン後半はこういう試合を勝ち切れるようにリバウンドを取らなければいけない」と、選手にも改めて伝えた。
  
 そして橋本といえば思い起こされる苦い記憶。2020-21シーズンのこと。絶好調時に起きたアクシデント、2021年3月に右足のアキレス腱を断裂。翌2021-22シーズン、復帰を目指していたが、11月、練習時に再び右アキレス腱を断裂してしまう。苦しみ抜いた末、今シーズン再びコートに立つことができている。

大阪エヴェッサ 橋本拓哉
大阪エヴェッサ 橋本拓哉

 「順調には来ている。8割くらい」の感覚だと言う。ただ未だ、「ウォームアップの時に、まだ硬さがある。全力で走れるまでに時間がかかる」ことを明かした。橋本は走力も武器であった。徐々に自身のプレーや感覚を取り戻してもらいたい。以前、フィッシャーHCは、「大阪に彼は必要不可欠。彼自身が自信を取り戻すこと」と期待を込めて語っていた。

大阪エヴェッサ 橋本拓哉
大阪エヴェッサ 橋本拓哉

 大阪は現在17勝19敗で西地区6位。同地区上位4チームとは差を広げられつつある。「西地区がすごく強い。でもチャンピオンシップまで、まだみんな諦めてはいない。一戦一戦勝っていかないと」と後半戦はまだまだ続く。

大阪エヴェッサ 橋本拓哉
大阪エヴェッサ 橋本拓哉

次節は再び敵地京都市体育館で、京都ハンナリーズ戦。「絶対連勝してバイウィークを迎えたい」と意気込む。残りのシーズン、プレーできる喜びを感じながら、持ち前の精度の高いシュート力など橋本らしさを遺憾なく発揮してもらえたらと思う。大阪がさらに浮上するためには、もちろん橋本の活躍は欠かせない。

大阪エヴェッサ 橋本拓哉

文:木村英里
写真:オガワブンゴ

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