フォトグラファーのオガワブンゴです。バスケ撮影をしている方のお役に立てればと思いこの連載をスタートしました。撮る位置が皆さんと違うので一概に「こう撮ります」と断言はできませんが、オガワブンゴ的な設定や感覚を書いていきます。バスケ撮影をする方の「ひとまず」的な基準になればと思っていて、その後は撮影する皆さんがどんどんアレンジしてカッコいいバスケ写真を撮ってもらえたら嬉しいです。
皆様、ご無沙汰しております！とっても久しぶりの更新になってしまいました。
更新はしていきますので温かい目で見守ってください（言い訳から入ってすみません！）。
今回は「ゴースト」についてです。似たような現象で「フレア」というのもあります。上手に使えればそれだけでドラマチックな写真になりますが、再現性は限りなく低いですし、そもそも個人的にはバスケのゲーム写真において全く必要ないと考えています。
そんな「ゴースト」を今回のテーマにしてみました。出現回数は少ないと思いますが、「もしも」のときのために、ぜひ知っておいていただきたいなって思います。
【B.LEAGUEの撮影ルール】
B.LEAGUEでは、試合の写真撮影はOKですが、「明確なルール」があります。
・「試合中の写真撮影」は、「個人での利用を目的とした場合」に限り可能
・「15秒以内の動画撮影」は、「個人での利用を目的とした場合」に限り可能
・フラッシュはNG
※たまに、AF補助光（距離を測るための赤や緑の光）がついている方がいます。これも消すように事前にカメラの設定を確認してください。
その他、ゲーム主催クラブの指示に従い、ルールを必ず守って、ゲーム運営、選手、観戦している周りの方に迷惑を掛けないようにしましょう。
ゴーストって！？
ところで皆さんは「ゴースト」って知っていますか！？
似たような現象で「フレア」って知ってますか？
まずは、画像を御覧ください。
と、言いたいところですが、僕がその画像を持ってないので“検索したこちらの画像を”御覧ください。
ゴースト→レンズ内で光が乱反射し、光が玉状や筋状に画像に写り込む現象
フレア→強い光の影響で画面が白っぽくなる現象
※呼び方は人によってまちまちですが、今回はゴーストとフレアで分けます。
「これのことか！」という方も多いと思います。
この「ゴースト」や「フレア」は、「太陽光やその他の強い光がレンズに入ることで、その光がレンズ内で乱反射し記録される」ことが原因となります。
例えば室内でのバスケ撮影の場合、照明やスポットライトと対面したときに「ゴースト」や「フレア」が出る可能性が高くなりますね（とはいえ、たまに出てくる程度かなって思います）。経験されている方も多いのではないでしょうか。
個人的には「ゴースト」は100%不要、「フレア」は幻想的な演出になる可能性が高いのでかなり好きだったりします。
最近のレンズの場合、強い光に耐えうるコーティングやレンズそのものの設計がしっかりされているので、「ゴースト」や「フレア」が発生することはとても少なくなっていますが、完璧に無くなっているわけではありません。
撮った後に、「あれ！？なんだ？？？」みたいなことが無いように、この「ゴースト」や「フレア」の名前とその現象をぜひ頭の中にインプットしてください。
ちなみに、レンズフードは四方八方からやってくる強い光を遮（さえぎ）り、「ゴースト」や「フレア」といった現象を低減してくれる役目もしてくれています。
「ゴースト」を出しやすくしている「あるモノ」
「ゴースト」は、光がレンズ内で乱反射することが原因と上述しました。
バスケ撮影において、もちろん外での撮影でも起こりえますが、「あるモノ」を装着していると「ゴースト」が出る可能性が一段と高くなるのをご存知でしょうか？
おそらく、この「あるモノ」を大多数の方が「盲目的」に装着しています。
それは、、、
「保護フィルター」です！
もう少し具体的に言うと、「低品質な保護フィルター」。
これを付けていると「ゴースト」の出現がグッと高くなります。
光が入ってくるレンズの入口に「低品質な保護フィルター」を装着することで「ゴースト」が写り込む可能性を格段にアップさせてしまっているんです。
「低品質な保護フィルター」というのがポイントで、「保護フィルター」全てがNGなわけではありません。このニュアンスは間違わないでくださいね。
しかも「低品質な保護フィルター」というのがくせ者で、そもそも低品質かどうか分かりづらい。レンズの性能が上がっていたとしても、低品質なガラス（保護フィルター）がかぶさると光が乱反射する可能性が高くなることは容易に想像できるかと思います。
「ゴースト」が出たときじゃないとその把握は難しかったりしますので、もし撮影しているときに「あれ！？」という状況があった時は一度保護フィルターを外してみてください。「あれ！？ゴースト！？」という状況を脱する可能性が高くなるはずです。
フィルターは安価なものから高価なものまで金額の幅がとても大きい商品ですし、しかもPLやNDといった専門性のあるフィルターもあったりします。そして「保護フィルター」に関しては、当たり前にお店の方から勧められますし、周りも当たり前に装着していたりするので、低品質か否かはちょっと置いといて、「保護フィルター」をカメラやレンズのオマケ的な感じで「盲目的」に購入・装着している方が多いと思います。もちろん、僕もその一人です。「保護フィルター」を装着すること自体はオススメしますし、レンズの保護という意味を考えれば必需品です。ただし、その「保護フィルター」が「低品質」だった場合、これを装着して撮影すると、その副作用として「ゴースト」が写り込む可能性をアップさせているという事実をぜひ知ってほしいなって思っています。
そんなわけで、僕はバスケ撮影時には「保護フィルター」を外しています。
おまけでフィルターの種類を簡単に。
・保護フィルター・・・レンズを保護するフィルターでレンズの汚れや傷を防ぐ
・PLフィルター・・・反射を消したり青空の色を濃くしたり、色彩を鮮やかに表現するフィルター
・NDフィルター・・・色彩に影響を与えることなく、光の量だけを低下させるフィルター
「この光の反射みたいのは何かな？」という友人からの質問
実は最近こんなことがありました。
一眼レフカメラとレンズを購入したばかりの友人から「この光の反射みたいのは何かな？」という質問をもらいました。
これこそ、まさに「ゴースト」ですよね。
そこでカメラとレンズをチェックして、レンズに付いている「保護フィルター」を外してあげたらあっさり解決。友人曰く、カメラ屋の店員さんに言われるがまま「保護フィルター」を購入し装着していたようです。もちろん、「保護フィルター」を付けることは大切ですし、商品を勧めた店員さんはしっかりと仕事をされてますよね。ただ結果として「保護フィルター」が「ゴースト」を写り込ませる原因になっていました。
まとめ
まとめますね。
「ゴースト」は、写真撮影の特性上、環境次第ではどうしても出てきてしまう現象です。
しかも、絶対に出るということも出ないということも言い切れない厄介さがあります。シーンによっては、より良いアクセントになりますし、当然逆もあります。せっかく構図も完璧、露出も完璧、被写体もカッコいい、そんな素晴らしい写真が撮れたとしても選手の顔に「ゴースト」が写り込んでしまった場合、その時点で残念な写真になってしまいます。
そうならないためにも、「ゴースト」という現象があることを知ってもらい、もし「ゴースト」が出た時はまず「保護フィルター」を外してみるということをやってみてください。
繰り返しになりますが、「保護フィルター」を外しましょうという推奨をしているわけではなく、「保護フィルター」と上手にお付き合いしましょうということをお伝えしています。曲解しないでくださいね。
今回は「ゴースト」をテーマにしてみました。正直、バスケ撮影をしている僕たちが「ゴースト」に出くわす回数は少ないです。ただ、出てきた時に知っていると知らないとでは雲泥の差がありますよね。こういったちょっとした知識や知恵もバスケ撮影を通して習得してほしいなって思ってます。
そして、皆さん独自の「視点」を活かしたカッコいい写真をどんどんtwitterやinstagramにアップしていただき、それを僕も楽しみたいと思ってます！
最後に、DAZNの市来さん @4take3 がされている「 #Bリーグファンショット 」や、balltripでもこっそり作っている「 #balltrip写真部 」のハッシュタグをつけてアップしていただけると更にうれしいです（笑）
オガワブンゴ Bungo Ogawa
バスケやミュージシャンといった動きのある被写体を主に撮影。Podcastクリエイターとしても活動し、「MOOKSTUDY日本の歴史」はランキング上位に常にいる人気番組。
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