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プロ選手とはこういうものだということを、すべて彼から学びました 群馬クレインサンダーズ 辻直人 balltrip MAGAZINE(ボールトリップマガジン)

プロ選手とはこういうものだということを、すべて彼から学びました 群馬クレインサンダーズ 辻直人

5勝7敗、東地区5位の群馬クレインサンダーズ(以下・群馬)は、11日12日に川崎市とどろきアリーナで川崎ブレイブサンダース(以下・川崎)と対戦する。
かつて川崎に所属していた#9辻直人と#11野本建吾にとっては、古巣との対戦。また川崎の#22ニック・ファジーカスのラストイヤー、12月には天皇杯での対戦も決まっているがリーグ戦での直接対決を前に話を聞いた。

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「同じコートで闘えるのはもう最後だと思うと、すごく感慨深いものがあります。プロ選手とはこういうものだということを、すべてと言って過言ではないほど彼から学びました。今の僕のキャリアがあるのは彼のおかげだと思っています。天皇杯含め残り数試合、またチャンピオンシップでも戦える可能性もありますし、思う存分噛み締めたいと思います」 

辻とファジーカスは、川崎の#33長谷川技とともに、2012年東芝へ同期として入団。辻が広島ドラゴンフライズへ移籍する2021年までともにプレーを続けた特別な仲間。「なんでこんな足の悪い選手を連れてきたのかなと思ったが、いざ始まれば彼の得点力はご存知の通り。日本バスケの一時代を築いたのが彼だと思う。彼を止めるための外国籍選手を呼んでくるチームがたくさんあった。一緒にやっていて、バスケがすごく楽しかった」と、当時のことを振り返る。

プロ選手とはこういうものだということを、すべて彼から学びました 群馬クレインサンダーズ 辻直人 balltrip MAGAZINE(ボールトリップマガジン)
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辻やファジーカスが入団する前シーズン、日本バスケットボールリーグ(JBL)に所属していた東芝ブレイブサンダースは8位と最下位に沈んでいた。しかし彼らが入団すると、2012-13シーズンは準優勝、2013年に設立されたNBLでは2013-14、2015-16シーズンに優勝するなど強豪チームへと変化を遂げた。「彼自身もステップアップしたと思う。僕も彼の良さを出せたのかなと思うし、僕の良さも彼のおかげで存分に出た。本当に成長させてもらったし、一緒に育ててもらった。僕のお兄ちゃんと言っても過言ではないんじゃないか」と、絆を感じさせる。

プロ選手とはこういうものだということを、すべて彼から学びました 群馬クレインサンダーズ 辻直人 balltrip MAGAZINE(ボールトリップマガジン)

「今年のワールドカップが盛り上がったが、そのきっかけを作ってくれたのはニックだと思う。(日本バスケ界が)大変な時期に帰化してくれて日本代表を助けてくれた。本当に本当に、感謝している。彼の決意とか、バスケットに対する姿勢、考え方は学ぶべきところが多い。(代表でもともにプレーをして)本当に心強かった」
辻の言葉からは、ファジーカスへの尊敬と想いがひしひしと伝わってくる。

「相手のディフェンスを見ながらプレーすることが上手な選手だったので、そういうところもアドバイスを受けられた。ニック選手のおかげで自分自身もこうやってバスケットができている、本当に感謝しています」

「(今シーズン限りでの引退が)リリースされた時は自分も知らなかったからびっくりした」と語る野本は、「オンコートでは一緒に4番5番ポジションでプレーをさせてもらい、いろんなことを学んだ。パスも上手いしシュートも上手く、すべてが上手だったから一緒にプレーをしていてすごく楽しかった」と当時を振り返る。
野本は、2015年に東芝入団後、2018年に秋田ノーザンハピネッツへ移籍するまでチームメイトとしての時間を過ごした。「移籍しても試合前に話しかけてくれて本当に嬉しいし、ありがたい」と、変わらず尊敬している。

プロ選手とはこういうものだということを、すべて彼から学びました 群馬クレインサンダーズ 辻直人 balltrip MAGAZINE(ボールトリップマガジン)
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直接対決を前に、「アグレッシブにプレーして、自分のいいところをたくさん見せたい。お互いにとっていい試合をしていきたい」と意気込んだ。

辻とファジーカスをはじめ当時の在籍選手たちは、独身時代にはともに六本木などで遊んだこともしばしば。引退発表後の会見でもファジーカスが笑いながら明かしていた。そんな関係が今では家族ぐるみの付き合いになった。

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「チームを離れてもニックとは絶対に会っているから本当に寂しいですね」、辻がふと漏らした言葉にすべてが詰まっていた。
「彼がもしアメリカに帰ったとしても会いに行きたいなと思う。それほど親しみのある人というか、選手である前に大好きな人。(引退後も)あまり今と変わらないのかな」。

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辻は最後に、「僕も優勝を目指して頑張っているので、最後は優勝の美を飾ってほしいとは言えないが、本当にケガなくバスケットを楽しんで、素晴らしいキャリアの終わりを迎えてほしい」とメッセージを送った。

ベストフレンドたちの特別な試合がまもなく始まる。
川崎市とどろきアリーナで、GAME1は11日18:05、GAME2は12日16:05ティップオフ。

文:木村英里
写真:濱田茉里

【Dear ニック・ファジーカス配信中】
日本バスケットボール界へ多大な貢献をしてくれたニック・ファジーカス選手(川崎)に感謝を込めて、ゆかりのある選手や関係者の方々から、今シーズン限りで引退するファジーカス選手へのメッセージを集め、紹介していきます。
※毎週火曜、金曜配信

▶︎instagram:https://www.instagram.com/balltripmag/reels/
▶︎Youtube:https://youtube.com/playlist?list=PLPS_drjWNV-z9ymYTQyAxsf2bkYVaCHed&si=x5dOIvSC2WfKhpiF

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