日本代表への道はそう遠くない 三遠ネオフェニックス 津屋一球

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 三遠ネオフェニックスは3月5日6日とホームで強豪アルバルク東京との対戦に臨んだが大差をつけられ連敗。チームは試合前日4日、ブラニスラフ・ヴィチェンティッチヘッドコーチを双方合意のもと契約解除、さらに清水太志郎アシスタントコーチがヘッドコーチ代行として指揮を執ることを発表した。そんな不安定なチーム事情の中での試合だったが、終了後#28津屋一球に話を聞くことができた。

日本代表への道はそう遠くない 三遠ネオフェニックス 津屋一球
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 「A東京のすごさ、後半も継続する力に我々が耐えきれなかった。2試合とも同じような負け方をしてしまった。個人的にも自分らしさをなかなか出させてもらえなかった」と反省の言葉を口にした。それでも下を向くのではない。「ここ最近スリーポイントシュートだけのイメージだった。アタックして点を決めたい、ミドルシュートを決めたいと思っていた。昨日今日含めツーポイントシュートを決められたことは次に繋がると思う」と前を向いていた。アタックすることによってアシストも生まれ「色々なことができる選手になりたい自分にとっては収穫があった試合」だったと振り返る。

日本代表への道はそう遠くない 三遠ネオフェニックス 津屋一球
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この先、今の課題に意識を向けるあまり「スリーポイントシュートを怠ってしまったりムラが出てくることもあるだろう。気持ち的にも自分をコントロールできるようにならなければ」と気を引き締める。今の自分を冷静に見つめ、何が必要で足りないのかを一つ一つ確認しているようだ。

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 そんな津屋のプレーについて清水ヘッドコーチ代行は「気持ちを普段から全面に出しプレーしてくれる選手。とても信頼している。今日は得点こそ少ないが不満はない。A東京の#2ジョーダン・テイラー選手という外国籍ハンドラーに対し、彼の詰めようという姿勢や気持ちがチームに伝染していってくれないかと思っていた。彼のメンタルや取り組む姿勢についてとても評価している」と力強く語った。

日本代表への道はそう遠くない 三遠ネオフェニックス 津屋一球
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 急遽苦しいチームの舵取りを担うことになった清水ヘッドコーチ代行は「選手たちのメンタル面にどう訴えるか」模索している最中だ。西地区最下位に沈むチームはこれまで5勝30敗と言う戦績。「チャンピオンシップ圏内も限りなくゼロに近い。選手たちが何をモチベーションにするのか。そこがきっちり安定していないと積み上げたものは一瞬で崩れてしまう」と不安視する。そんな今だからこそ「ディフェンスの大切さを説いている。ルールの明確化を行い、やり続けられるのか。メンタルを上向きにできるよう多方面からトライしている」と言う今。

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津屋はチームについて「ベンチも含め選手全員がどんなミスであっても、次!次!という切り替えの掛け声が日頃の練習から100パーセント出来ていない。一つのミスに対し言われることも思うことも各々あるはず」と指摘していた。戦術以前に「人間的な部分。勝てるチームは継続する力があるが、自分たちは一試合ごとに落ち込んでしまう。また追い上げた時こそディフェンスにシフトチェンジすべき時にオフェンス中心になってしまったり。気持ち的な面も考え方もまだ一体感がない」と厳しく語る。脆さもあり、モチベーションを保つことの難しさもあるだろうが、どれほどチームが一つになり前を向き闘い続けることができるのか。

日本代表への道はそう遠くない 三遠ネオフェニックス 津屋一球
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 津屋はA東京#24田中大貴選手のような選手を目指している。今節も直接向き合いプレーの質を肌で感じ吸収していた。また東海大学の同級生でもあるシーホース三河#19西田優大は日本代表としても頭角を表している。刺激を受けないわけがない。「ずっと日本代表に入りたいと思っている。今日も日本代表クラスの選手とマッチアップをし、改めて違いを感じた。」と語る。でも「そう遠くない」とも感じた。「ディフェンスの面でスクリーンを使うことが上手な選手には遅れてしまうことがある。もう一工夫すれば遅れることがないと気が付いた。オフェンスの面はどこよりもフィジカルに守ってくるA東京に対し、GAME2では強気でプレーができた。常にそこを意識しプレーをしていこう」と最後に誓っていた。

日本代表への道はそう遠くない 三遠ネオフェニックス 津屋一球
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 より一層のコミュニケーションが求められ、チーム内での関係性の構築からというリスタートを切った三遠。どんな苦境の中でもチームを牽引していかなければならない。その中でもがき、仲間と向き合い続けた経験は今後必ず活きるだろうし夢に続く道だと信じ進んで欲しい。人間的にも選手としてもさらに成長を遂げた津屋が日本代表として戦う姿を心から見たいと思った。

日本代表への道はそう遠くない 三遠ネオフェニックス 津屋一球
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文:木村英里
写真・構成:オガワブンゴ

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