バスケットボール男子日本代表は、東京都江東区の有明アリーナで15日から19日にかけて、25日に開幕が迫るFIBAバスケットボールワールドカップ2023に向け国際強化試合に臨んだ。15日にはアンゴラ代表（FIBAランキング41位）、17日にフランス代表（5位）、19日はスロベニア代表（7位）と戦った。アンゴラに勝利を収めたがフランス、スロベニア相手には完敗した。
アンゴラ戦では、代表に合流し初の公式戦となったNBAフェニックス・サンズ所属の#12渡邊雄太が登場すると有明アリーナは大きな歓声に包まれた。しかし2クォーター、相手選手と接触した渡邊は右足首を捻挫しロッカールームへと戻ってしまった。
後半ベンチでは笑顔も見られたが、コートに再び立つことはなかった。この試合では負傷までに11分47秒出場し、その間に4得点7リバウンド3アシストの活躍を見せていた。トム・ホーバスヘッドコーチは、アンゴラ戦後に渡邊の状態について「彼はよく捻挫する。病院には行かない。彼もそんなに悪い状態ではないとわかっていた」と語っていたが、渡邊はフランス戦、スロベニア戦に出場はせずワールドカップでぶっつけ本番で臨むこととなった。
フランス戦後の会見でホーバスヘッドコーチは、#5河村勇輝（横浜ビー・コルセアーズ）について、「河村は、ハムストリングの怪我からまだ１００パーセントではない。スリーポイントシュートはあまり決まっていない。ドライブも行っているがフィニッシュのところがまだ。だから（強豪国との対戦という）経験が大きい。」と状態を語っていた。
それでも3試合ともスターターとして出場した河村は、#30富永啓生（アメリカ、ネブラスカ大学）とのコンビで幾度となく会場を沸かせた。「アンダーカテゴリー時代からずっと一緒にやっているというのもあり、ケミストリーはいいと思う」と、富永もフランス戦後に語っていた。富永自身、アンゴラ戦、フランス戦ともに20得点と大活躍。日本のファンを驚かせ興奮させていた。
指揮官も、「二人はとても相性が良く、今までのところ悪くない。富永のディフェンスの足りない部分を河村がカバーできる。河村は富永をよく見ている。あのコンビが好き」と絶賛していた。河村と富永は現在22歳同士、今後の日本を背負って立つ若き日本代表が本戦、沖縄アリーナでも躍動してくれるはず。
そしてワールドカップでは、渡邊の負傷や#24ジョシュ・ホーキンソン（サンロッカーズ渋谷）が怪我明けでまだ本調子ではないことから、渡邊からも「秘密兵器」と言われた#99川真田紘也（滋賀レイクス）の活躍が欠かせない。
国際強化試合でNBAでプレーするセンターなどと対峙したことについて、「僕より技術も身体的にも全てが上。すぐに身長が伸びるわけでも技術が追いつくわけでもない。ただ気持ちでは負けないという信念があり、そこで負けず気持ちを切らさずできたことがよかったと思う。（ワールドカップでも）僕の仕事はディフェンスでやることは明確。トムさんがやれと言われたら全力でやるだけ」と力強く、川真田節全開で語っていた。
いよいよまもなく幕が開けるFIBAバスケットボールワールドカップ2023。1次ラウンドでは25日にドイツ（11位）、27日にフィンランド（24位）、29日にオーストラリア（3位)と対戦する。是が非でも1勝を掴みたいところ。スロベニア戦を終えて、キャプテンの#2富樫勇樹は、「チームとしてやりたい準備は徐々にできている。100%の力を出していきたい。渡邊雄太の怪我で練習を重ねることはできなかったが、今いるメンバーでベストを尽くし、アジア1位というチームの目標を達成するために戦ってきたい」と締め括った。日本代表の挑戦を全力で応援しよう。
ワールドカップに出場する日本代表12選手
比江島慎（SG／191センチ／宇都宮ブレックス）
富樫勇樹（PG／167センチ／千葉ジェッツ）
原修太（SF／187センチ／千葉ジェッツ）
渡邊雄太（SF／206センチ／NBAフェニックス・サンズ）
ジョシュ・ホーキンソン（PF・C／208センチ／サンロッカーズ渋谷）
馬場雄大（SG／195センチ）
吉井裕鷹（SF／196センチ／アルバルク東京）
川真田紘也（C／204センチ／滋賀レイクス）
西田優大（SG／190センチ／シーホース三河）
井上宗一郎（PF／201センチ／越谷アルファーズ）
富永啓生（SG／188センチ／ネブラスカ大学）
河村勇輝（PG／172センチ／横浜ビー・コルセアーズ）
■FIBAバスケットボールワールドカップ2023
8月25日（金）〜9月10日（日）
沖縄グループステージ：沖縄アリーナ(日本)
決勝ステージ：マニラ・フィリピン
【日本代表スケジュール】
8月25日 （金） 日本 vs ドイツ
8月27日 （日） 日本 vs フィンランド
8月29日 （火） 日本 vs オーストラリア
