
「仙台89ERSは宝物」片岡大晴が挑戦の先で繋ぐ想い
8月29日、川崎市のとどろきアリーナで行われた川崎ブレイブサンダースとのプレシーズンゲーム。仙台89ERSの片岡大晴は、短い出場時間ながら3ポイントシュートを沈めた。コートに立つ片岡へ、客席からは大きな声援が送られていた。
今シーズン、再び、仙台のユニフォームを身にまとっている。

昨シーズン、片岡は仙台を離れ、モンゴルへ渡り、ダルハン・ユナイテッドでプレー。その後、日本に戻り、さいたまブロンコスでもプレーした。そして今シーズン、仙台に帰ってきたのだ。
「昨シーズン、挑戦させていただいた時は、帰ってくるつもりで行ったわけではなかったのですが、またチームが新しく選手を探す時に、こうしてまたご縁をいただけてすごく感謝していますし、その感謝の気持ちで今シーズンは練習やトレーニングをスタートできました」

昨シーズンの海外挑戦は、年齢を重ねても、自分で心に決めたことに対して一歩を踏み出したことに価値があった。その姿を、自分自身だけではなく家族やこれまで応援してくれた人々、そして仙台の人々や子どもたちにも届けることができたと感じている。
「どんなに年齢を重ねても、自分で心に決めて一歩進めた、踏み出したことと、挑戦をたくさんの方に見ていただけた、見せることができたことが、昨シーズンの挑戦にはすごく意味があったと思っています」

そして片岡にとっては、仙台というチームを外から見つめる時間にもなった。
「チームのことをすごく好きだなと、離れている時もずっと思っていました。離れてみて、89ERSというクラブが、どれだけ自分にとって大きかったのか再確認できました」
今シーズンで在籍は通算9シーズン目になる。チームの存在の大きさを改めて感じた片岡は、こう続けた。
「ずっと89ERSのファンとして育ってきました。その気持ちはずっと一緒ですが、戻ってきてからはチームメイトの若い選手や、ユースの選手たち、そして宮城、仙台の子供たちに繋げていくという仕事が、最後に残っているのではないかとすごく感じています」
かつて自分が受け取ったものを、今度は次の世代へ繋いでいく。プロ選手として積み重ねてきた経験に加え、年齢に関わらず挑戦すること、一歩を踏み出すことの価値を伝えていくことも、自分の役割なのだと感じている。

今シーズンの仙台は、シーホース三河からジェイク・レイマンや、シェーファー アヴィ 幸樹が加入、この日はレバノン代表としてFIBAワールドカップ2027 アジア予選に出場していたため不在だったセルジオ・エル ダーヴィッチをアジア枠で獲得。新たなチームには大きな期待が寄せられている。
「期待が大きいとすごく感じていて、昨シーズンもジャンプアップしてすごくいいシーズンを過ごしているのを見てきました。でもまたゼロから始まります。いくら下馬評が高くても、いい選手が来ても、まだ何も始まっていません。僕たちは必死にシーズンを戦うために今準備しています。みんな勝ちたいのは一緒です。1日1日大切にして、その結果として最後に笑いたいですね」

プレシーズンゲームにも、多くの仙台ファンが駆け付けた。
「(自分がプレーをしている時は)必死なので、正直なところ耳には何も入ってこない状況ですが、ベンチにいる時は、選手たちが活躍する姿に声援を送られている方々の声がビシビシ聞こえてきて、すごくありがたいと感じています」
最後に、片岡にとって仙台89ERSとはどんな存在なのかを聞いた。
「宝物です」

「僕にとっては生まれ育った土地のプロチームです。トータル在籍9シーズン目になります。出たり入ったりしている僕ですが、すごく育ててくれて、信じてくれたチームなので、今シーズン最後までどんな時もやり続ける、全うして終わるという気持ちで頑張ります」
一度離れたことで、仙台89ERSというチームの大きさを改めて知った。今度は、経験を次の世代へと繋いでいくことも、片岡にとっての恩返しなのかもしれない。

