もっと成長して自然とチームの中心の選手になれたら 川崎ブレイブサンダース 米須玲音 balltrip MAGAZINE(ボールトリップマガジン)

もっと成長して自然とチームの中心の選手になれたら 川崎ブレイブサンダース 米須玲音

川崎ブレイブサンダースは、1月11日12日と名古屋市にある稲永スポーツセンターでファイティングイーグルス名古屋との連戦に臨んだ。GAME1を80-94で落としたものの、GAME2は73-66と勝利した。
GAME2、スターターとしてコートに立った米須玲音。この日の出場時間は31分46秒だった。その中で試合序盤に得点を重ねるなど8得点6アシストと活躍を見せた。

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「(昨年末の)茨城ロボッツ戦では2連勝もしました。仙台戦では1勝1敗、(FE名古屋戦)GAME1は負けてしまいましたが、今チームとしては良い方向に向かっている感じです。自分と山内ジャヘル琉人が加入してチームの層は厚くなりました。競争も激しいので、メンバーに入るために、しっかり練習から、自分自身のプレーもそうですがチームにどれだけフィットするかも考えています」
試合後、米須はチームと自身の現在についてそう話し始めた。

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川崎は8勝22敗。まだ中地区最下位に沈むが、その中でも若い選手たちの活躍は明るい材料となるだろうか。
「昨シーズンと違い、プレースタイルが大きく変わり走るバスケットになったので、自分としてはパスで前に前にというプレースタイルが結構フィットしているかなと思っています。そういったところで自分らしくチームに良い影響を与えられたら」
試合中、時に米須の魅力の一つであるロングパスで会場を沸かせ、時に味方の得点を演出する鋭いパスはチームメイトをも驚かせる。鋭いだけでなく、強く正確なパスはその視野の広さを感じさせるものだ。米須がタクトを振るうとボールもよく回り、見る者を魅了する。

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茨城戦から強烈なインパクトを残していた。「(茨城戦の)連勝は自分のスカウティングをされていない中であのような活躍ができました。これからは、自分の癖などもスカウティングされてくるので、止められたら終わりになってしまいます。ステップアップしていかないと」と危機感も十分。
ただ、「自分も相手に止められることはあると思いますが、そこをしっかり打開して一つ一つ成長していけたらなと考えています」と常に言葉の奥には自信を覗かせる。

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そんな米須が今、課題に挙げるのは得点力だ。
「やっぱりパスだと相手からはスカウティングされているので、そういったところで1本2本でも多くシュートを打つ。そして決めることによって相手の守り方も変わってきますし、得点力を伸ばしていければ、もう少し楽にプレーできるのではないかなと思っています」
自分自身を助けるためにも、得点力向上は欠かせない。よりディフェンスしづらい選手へと成長を遂げてほしい。

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米須だけでなく山内もプレータイムを伸ばし始めている。少しずつ持ち味を発揮し、川崎のファンの心を既に掴んでいるようだ。
米須は「お互いに良いところもあれば悪いところもあったので、もう少し自分のプレーというよりはチームが良い方向に向けるようにやっていきたいと思ってます」と冷静に話していた。

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既に川崎のチームの中心になりつつある。チームを背負ってほしい。チームの中心となる選手へと育ってほしいという熱い期待をファンから受けている。
「(篠山)竜青さんをはじめ試合の中だったり練習の中だったり、いろいろ声をかけてもらっています。一つ一つ吸収してもっと成長して、自然とチームの中心の選手になれたらいいなと思っています」と、表情を緩めながら語っていた。プレーで牽引するだけでなく、改めて前身の東芝時代から大切に守り続けられてきた伝統やカルチャーを学び体現してくれることだろう。

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謙虚さの中に見え隠れする自信と覚悟。試合中の姿を見れば、チームメイトから信頼を既に得ていることは一目瞭然だ。遠慮することなく、米須らしさを存分に発揮してもらいたい。プレーのみならず、試合中の声掛けや鼓舞する姿も益々頼もしさを感じさせてくれることだろう。苦しむ川崎の希望の光は、自ら強く輝くための一歩を踏み出した。川崎のみならず日本を代表する選手になる姿を楽しみに見守りたい。

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文:木村英里
写真:濱田茉里國分唯斗

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