『栗原二世』と呼ばれるようなプレーヤーになりたい #11山内翼(福島ファイヤーボンズ)

『栗原二世』と呼ばれるようなプレーヤーになりたい #11山内翼(福島ファイヤーボンズ)

憧れの栗原貴宏氏がACに就任する!福島ファイヤーボンズの山内翼選手にとっては嬉しすぎる出来事だった。

『栗原二世』と呼ばれるようなプレーヤーになりたい #11山内翼(福島ファイヤーボンズ)

チームとの契約更新をする際に西田創社長から「誰とはまだ言えないが…」と新しいACについての話があった。社長が明かすヒントから栗原氏がAC就任するのではないかと感じたという。その時は「鳥肌が立って夢かなと思った。手をつねってみたら現実だった」と興奮気味に振り返ってくれた。
「コーチとしてB1のチームに行くと思っていた」大きな先輩が、自身が所属するチームのACに就任した。
「神様がご褒美をくれたのかなと思った」

『栗原二世』と呼ばれるようなプレーヤーになりたい #11山内翼(福島ファイヤーボンズ)
山内選手にとって栗原ACは地元福島県にある日大東北高校の大先輩にあたる。なぜそこまで慕い、憧れるのか。
「高校時代に練習に来てくれて、一緒にプレーをしてみてすごい選手だと思った。さらに恩師からも栗原という選手は大きな怪我をしても無名から這い上がって日本代表にまでなったんだぞと聞いてきた。それから憧れの人で、尊敬している」と理由を明かしてくれた。

昨シーズン、対山形ワイヴァンズ戦。栗原ACの引退試合、最後のマッチアップをしたのは山内選手だった。そのプレータイムは18.4秒だけであったが、山内選手にはとても印象に残っている。
「HCに名前を呼ばれた時、やっとマッチアップできる!とその時も鳥肌が立った。短い時間なのにすごく長く感じた。栗原さんが目の前でプレーしていることに泣きそうだった」
あの日、あの会場で誰よりも涙を流していたのは他でもなく山内選手だった。「彼の涙に全てを持って行かれた」と栗原ACも笑っていたが、あまりの号泣っぷりは微笑ましく、その涙には先輩への想いが溢れていた。

『栗原二世』と呼ばれるようなプレーヤーになりたい #11山内翼(福島ファイヤーボンズ)
『栗原二世』と呼ばれるようなプレーヤーになりたい #11山内翼(福島ファイヤーボンズ)

今回、山内選手に話を聞いたのは、チーム始動初日の練習終わりだった。練習前、憧れの人を前に挨拶をする姿はどこか緊張感が漂っていた。しかし早速練習が始まると、二人組みで練習したり、一緒に体を動かすシーンも多く見られた。
練習直後には「優しく話しかけてくれた。練習はすごくきつかったが、栗原さんがいるだけで楽しい。すごくためになるし、成長できる環境にいられるなと感激している」と、目を輝かせながら語ってくれた。

『栗原二世』と呼ばれるようなプレーヤーになりたい #11山内翼(福島ファイヤーボンズ)
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山内選手は名門東海大学バスケ部の出身。でも「無名だった。腐らず4年間続けてきて、ディフェンスやドライブは通用するのだと思った」と学生時代を振り返る。同期には、アルバルク東京の平岩玄選手や、笹倉怜寿選手、広島ドラゴンフライズの寺嶋良選手などがいる。笹倉選手もB1に復帰し、その悔しさもにじませた。
「自分の同期は全員B1の舞台にいる。自分もB1に上がって、みんなと肩を並べたい」

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昨シーズン、少しずつプレータイムを増やしていった。「自分のディフェンスも通用したし、ドライブもあまり止められなかったと思う。手応えを感じている。B1ではどういうプレーが通用するのか考えて取り組んできた」のだ。
しかし、今オフにチームはB1昇格へ向け力を入れた補強を行った分、焦りや不安、危機感も生まれた。そんなタイミングだからこそ栗原ACの存在がより大きく感じるのかも知れない。このチャンスを是非とも生かしてほしい。

『栗原二世』と呼ばれるようなプレーヤーになりたい #11山内翼(福島ファイヤーボンズ)

「ディフェンスが元々苦手だった。栗原さんは日本の盾と言われるくらいディフェンスが素晴らしい。あのコーナーからのスリーポイントシュートも憧れがある。そういう選手になりたかった。プロになり足腰を鍛えた。昨シーズンも、エースに付かせてもらえたり、ガード潰しでコートに出させてもらった。でもまだまだ足りないから、栗原さんのアイデンティティを受け継ぎ極めて、いつかB1で『栗原二世』と呼ばれるようなプレーヤーになりたい!」
そう力強く語る眼差しはとても力強かった。尊敬する人の下で指導を受けられる喜び、色々なものを吸収したいというまっすぐな思いが、今シーズン、山内選手を大きく成長させるのではないだろうか。経験が豊富な栗原ACに「代表のことや、どういうことをすれば活躍できるのか、上手くなるために必要なことを聞きたい」と語っていた。

『栗原二世』と呼ばれるようなプレーヤーになりたい #11山内翼(福島ファイヤーボンズ)

地元・福島出身として、憧れたチームの選手になる夢を叶えた山内選手。「地元に恩返しをする」という想いを胸にチームのB1昇格に貢献し、福島を代表する選手になってほしい。

『栗原二世』と呼ばれるようなプレーヤーになりたい #11山内翼(福島ファイヤーボンズ)

文:木村英里
写真:オガワブンゴ

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