年齢を重ねて思い出に残るのは、どんな仲間と戦ったか 大阪エヴェッサ 竹内譲次
12月3日から、国立代々木競技場 第二体育館、大田区総合体育館、駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場を会場に行わる、令和4年度・第74回全日本大学バスケットボール選手権大会。11日に国立代々木競技場第二体育館で行われる決勝の舞台を目指す戦いがまもなく幕を開ける。
(大会サイトはこちらから 男子 女子)
balltrip MAGAZINEでは、インカレ出場経験を持つ2選手に話を聞いている。第二弾は、東海大学出身、大阪エヴェッサの#15竹内譲次だ。
宇都宮ブレックスに所属している双子の兄、#10竹内公輔(慶應義塾大出身)をはじめ日本代表やBリーグで現在も活躍する選手が豊富な世代。竹内世代、黄金世代などと呼ばれたこともしばしば。
4年次、2006年度の決勝では、東海大学と慶應義塾大が顔を合わせた。結果として、東海大学が76-73で破り頂点に輝いている。
「メディアからも取り上げられていた大会、(東海大学は)リーグ戦で1敗したが、その相手は慶應義塾大だった」のだ。だからこそ、決勝で再び対戦することになり、「勝つことで、東海大学としても僕個人としても、有終の美を飾れた」ことは竹内にとって、意味深いものだった。
当時を「慶應義塾大以外に負ける気はしなかった」と振り返り、自身にとってもファンにとっても「期待通りの決勝の組み合わせ」だった。全力で戦わないとならない最高の相手との決勝、時が経った今も忘れられるはずがない。
「大学時代を思い返すと楽しかった」という竹内。インカレと言う大きな大会、東海大学など強豪校ともなれば「勝たなければならないプレッシャーもある」もの。当時の竹内は、日本代表としての活動の比重が多かった。その分、大学の仲間と過ごすことが貴重な時間ともなった。「現在は大学をスキップし、Bリーグへ進むことも選べる」が、当時、その道はなかった。より高いレベルを求めることは、プロを目指す選手にとって大切なことでもある。しかし、大学で頑張っている仲間の姿も知っている。その仲間と成し遂げることで得られるものは、他では得難いものなのだ。「一生懸命やってきた仲間とやり切れたことが大きい」と振り返っていた。
バスケットボール以外の部分でも多くの時を過ごす仲間たちとの「最後の時間」になるのがインカレ。だからこそ、参加する選手たちも、出場した元選手たちも、声援を送る家族やファンにとっても多くのストーリーを生み出す。
まもなく開幕する今年のインカレ。「今の学生は、コロナ禍で過ごしている。大会中にどんなアクシデントがあるかわからない。僕らがリーグ戦を1試合休むのとは全然訳が違う。集大成の部分で不運が重ならないことを願いたい」と、コロナ禍で挑戦する後輩を気遣った。万全の状態で挑めた際には、「下級生は、上級生との当たり前が当たり前じゃない時間を大切に、経験を得てほしい。上級生は、悔いなく。結果も大事。ただ僕もそうだが、年齢を重ねて思い出に残るのは、どんな仲間と戦ったかだ」と思う。16年が経っても、鮮明に思い返せる。それがインカレという特別な舞台であることが理解できた。
Bリーグの発足後、さらに成長を続けているバスケットボール界。将来、Bリーグや日本バスケットボール界を牽引するであろう選手たちの活躍、そして出場する選手一人一人の大切な瞬間を目撃しよう。竹内の語る通り、当たり前なことが当たり前でないコロナ禍での大会、無事に開催され熱い試合が繰り広げられることを期待している。