B2のFINAL4は僕らの自信になる 長谷川智也(越谷アルファーズ)〜B2 PLAYOFFS 2020-21 QUATERFINALS〜
2021年5月7日から幕が開けた「B2 PLAYOFFS 2020-21」。
B2プレーオフ初出場となる越谷アルファーズ(以下、越谷)はQUATERFINALSを、敵地名古屋市枇杷島スポーツセンターでファイティングイーグルス名古屋(以下、FE名古屋)と戦った。
レギュラーシーズンの対戦成績は1勝1敗。
QUATERFINALS、4試合の中で唯一GAME3まで続いたこのカード。
GAME1、越谷はFE名古屋が後半に確率を上げてきた3Pシュートやチェンジングディフェンスに苦しめられ接戦を落とした。追い込まれたGAME2は、最大23点差をつけるもFE名古屋の強烈な追い上げにあう展開。91対85で越谷が辛くも逃げ切り勝利した。
そして、1勝1敗で迎えたGAME3。3日間連続の試合、タフな戦いとなった。
そんな中、越谷は#8長谷川智也選手が試合後に「#5アイザック・バッツ選手に対して3戦目ということでFE名古屋のインサイド陣はかなりきついのではないか。そこをアタックしていきたいという狙いを持っていた」と振り返った通り、 FE名古屋のインサイドを攻めた。4Q終盤「バッツ選手中心の攻撃が重たくなってきた」と感じると、1Q途中で右手指を負傷しベンチに下がっていたため「おそらくスタミナが残っているのではないか」と、#33クレイグ・ブラッキンズ選手を中心に攻める形をとった。これには、今シーズン4月に就任した桜木ジェイアール テクニカルアドバイザーからも「彼を中心に行こう」という話があったという。
その後、試合はオーバータイムへ突入。残り26.8秒、勝利を決定づけるフリースローを獲得したのは長谷川選手だった。冷静に2本沈めると、点差は5点に広がった。
両チーム死力を尽くした試合は、86対79で越谷が勝利し、SEMIFINALS進出を決めた。
初のB2プレーオフで、SEMIFINALS進出。試合終了と同時に越谷ベンチは歓喜に包まれていた。#13西片翼選手の目はすでに赤かった。ファンとともに死闘を制した喜びを噛み締めた。
GAME3終了後、長谷川選手は「3日間連続の試合はプロになって初めて。めちゃくちゃ疲れた」と振り返りながら安堵の表情を見せていた。
今シーズン、越谷に5年ぶりに復帰した。その間、長谷川選手は、シーホース三河、サンロッカーズ渋谷、大阪エヴェッサと渡り歩いてきた。天皇杯優勝も果たし、NBLのファイナルの舞台も経験済みだ。もちろん、スタメンで活躍するだけでなく苦い思いをしたこともある。その経験を武器に長谷川選手は、レギュラーシーズンからチームを牽引しチーム初となるB2プレーオフへと導いてきた。
「今日こうして勝てたのはチームにとって歴史的なことだと思うし、B2のFINAL4は僕らの自信になる。本当に素晴らしい3試合だった」と語ってくれた。
ただ、目標はまだ先。熱く激しい戦いはまだ続く。
SEMIFINALSではレギュラーシーズン52勝、リーグ最高勝率91.2パーセントを記録した群馬クレインサンダーズとの対戦となる。
「2勝4敗で負け越しているが、2勝している。僕たちは今、調子が上がってきているし、自信もついてきている。真っ向勝負して悔いのないように、そしてFE名古屋の分までしっかりと戦いたい」
そう力強く宣言した。
越谷はB1ライセンスは保有していないが、チームの象徴的存在となった長谷川選手を中心にチームの士気はますます高まっている。
B1強豪チームでの経験を携えチームの新たな歴史を作るべく5年ぶりに越谷へ復帰したベテランがチームを牽引し頂点を目指す。
群馬と越谷のSEMIFINALSは、2021年5月15日からヤマト市民体育館前橋で行われる。