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balltrip 記事 かつての仲間とまたコート上で会えることが目標 栗原貴宏AC(福島ファイヤーボンズ)

かつての仲間とまたコート上で会うことが目標 栗原貴宏AC(福島ファイヤーボンズ)

今シーズンから福島ファイヤーボンズACに就任した栗原貴宏氏。どんな思いで練習初日を迎えているのか、福島県郡山市まで話を伺いに行った。

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「ACとして初めてのシーズンで、新しいチームでもあり緊張と楽しみとが入り混じっている」
そう語り始めた。栗原ACは、当時在籍していた山形ワイヴァンズで2020年10月11日に行われた福島ファイヤーボンズ戦をもって引退。その後、山形でのチームスタッフ兼アカデミーコーチやスキルコーチを経て今シーズン、地元福島でACに挑戦する。

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ACの話が届いた際には「率直に嬉しかった。選手時代からも必要とされるところがあるのは幸せなこと。それがなおかつ地元で、今シーズンは特にB1に向けて力を入れると聞き、いい選手も集まっていい環境でできる」と思った。
今シーズン、福島は積極的補強を行った。新潟アルビレックスBBからジェイソン・ウォッシュバーン選手や水野幹太選手などを獲得している。「楽しみでしかない」と語りつつも、「ACとしては1年目なのでしっかりと勉強させてもらいたい」と気を引き締めていた。

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栗原貴宏氏はどのようなACになるのだろうか。「どういうコーチになりたいかはまだ探している。いいコーチとはどういうものか考えているが、まだ自分の中ではまっさらな状態だ」そうなのだ。今後、シーズン開幕に向けて練習の日々が積み重ねられ、さらにシーズンが始まり、どういうコーチ像を描き上げるのかも注目したい。
ただ、「プレーヤーとしての経験も長い分、そこを強みにしたい。経験に勝るものはないと思う」とも語ってくれた。
栗原ACは現役時代、優勝も移籍も大きな怪我も経験をしている。そして日本代表でプレーした経験も持っている。年齢もまだ33歳。比較的選手と近い距離感で接することもできるだろう。ただ、選手との距離感についてはまだ悩んでいるようだった。
「選手との距離感は今まで通りではだめだ。正解はないが、色々なコーチのアドバイスや話を聞きながら自分なりの選手との接し方を作りたい」

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ACはHCからも選手からも頼りにされる存在。栗原ACにも、これまで選手時代に様々なコーチの下でプレーをしてきたが、その中でも思い出深いACがいる。「東芝時代、折腹祐樹ACがチームのフォワードなどのポジションを育てていた時があった。練習後のワークアウトもいつも付き合ってもらっていて、ずっと折腹ACと一緒にいた。悩みや相談に常に乗ってもらい助言してもらった。自分の一番いい時期に色々と教えてもらってプレーヤーとしてもいい時期を過ごせた分印象に残っている」と明かしてくれた。

栗原ACも現役時代から人望が厚い人であった分、とてもいいコーチになるだろう期待感が大きい。チーム始動初日から選手と一緒に体を動かし汗を流しながらコミュニケーションを取っていた栗原AC、模索の日々はまさに始まったばかりだ。

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山形で引退後も、バスケに対する向き合い方も情熱も「変わらない」という栗原ACがとても印象深かった。現役時代から与えられた仕事、求められた仕事を徹底する職人的プレーヤーだった。ACになった現在も「選手の時と変わらない。自分のできることをとにかく一生懸命取り組む」とバスケに対する真摯な姿勢や内に秘めた気持ちの熱さを見ることができた。

今シーズンのB2は、群雄割拠。各チーム、積極的補強をしていてB1で活躍していた選手が新天地にB2のチームを選ぶことも多かった。これらの移籍は栗原ACもかなり気になっていたそうで「他のチームにいい選手が行くと、うわ〜また厄介になるなという気持ちが出てくる(笑)そういうチームを倒してB1に行く方が喜びも大きいと思う。やりがいがある」と気合を入れていた。

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また福島というチームは、震災後に誕生したチームだ。「福島県を元気に」という思いを胸に、歩んできたクラブなのだ。そんな地元のチームだからこその思いもある。
「学生の頃に福島にプロチームができると聞いて。その後も気にはしていて、人に聞いたり自分でも調べていた。節目の年に直接関わることができてありがたい。思い入れは強い」という。
もちろん、まだまだ福島ファイヤーボンズの試合を見たことがない地元の方も多いだろう。「一度見に来たらハマったという声も聞く。少しずつ積み重ねてチームの価値も高めていきたい」
地元出身の栗原ACならではの地元の盛り上げ方も見せてもらえたら嬉しい。栗原ACにとって地元福島の魅力は「温泉がいい」ことだと教えてくれた。前日のオフも温泉に行っていたそうで、中でもオススメは安達太良山麓に広がる高原の温泉の温泉、岳温泉なのだそう。そこは「楽天トラベル美肌温泉3位だと書いてあった」と教えてくれた。Bリーグのファンには女性ファンも多い。コロナ禍が落ち着いたらチェックしてみたいところである。

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もちろん、チームを離れた後もかつて在籍していたチームの選手、後輩たちの活躍にも注目している。東芝・川崎ブレイブサンダース時代の後輩である藤井祐眞選手は2シーズン連続で3冠に輝くなど大活躍を見せている。「すごいなと思う。ずっと動き回っているし、毎年頼もしくなっている。最初の頃を知っているから。今やチームの顔になっているじゃないですか!」と目を細めて語る様子は、すっかり優しいお兄さんのようだった。

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まもなく迎える東京オリンピック。バスケ日本代表の活躍にも期待したいところだ。
「僕がいた頃の日本代表とは次元が違う。頑張って欲しいし世界と戦えるレベルに来ていると思う」
ただ残念なのは栗原ACを慕う日本大学・東芝・川崎時代の後輩である篠山竜青選手が外れてしまったことだ。栗原ACも寂しそうであった。実はその際も「落ちましたとすぐ連絡が来た。珍しいなと思ったが、彼がホテルで隔離生活をしていた時に2人でテレビ電話をして3時間以上も話した」と明かしてくれた。篠山選手にとっては、悔しさや寂しさを素直に打ち明けられる相手でありチームを離れても頼るべき存在なのだろう。
篠山選手は福島でのAC就任発表後も連絡をくれたそうで、いつ話を聞いても素敵な先輩後輩の関係で絆があるなと感じる2人である。

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福島がB1昇格を果たせれば、古巣・川崎や宇都宮ブレックスと対戦する日もやってくる。
「またコート上で会えることが目標だ」
最後に、「ACとは結果が見えにくい。自分なりにできることに取り組んでチームの勝利に貢献できればいい。B1へ上がって、川崎や宇都宮との試合になれば僕を知っているファンの方も多いと思う。そこで会うことができるように、楽しみに頑張りたい」と栗原ACらしい決意を語ってくれた。
ぜひ、かつての仲間が待つ場所にコーチとして帰ってくる姿を見てみたいと思う。

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文:木村英里
写真:オガワブンゴ

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