balltrip 記事 福島ファイヤーボンズ 東日本大震災復興10年イベント

東日本大震災復興10年イベント 福島ファイヤーボンズスペシャルマッチ

構成・文:オガワブンゴ木村英里
写真:オガワブンゴ

2021年2月27日、28日に、福島県にある県営あづま総合運動公園体育館で行われた『FIRE UP! FUKUSHIMA 東日本大震災復興10年イベント 福島ファイヤーボンズスペシャルマッチ~コロナに負けない未来を~』では、山形ワイヴァンズ戦(第23節)に加えて、ハーフタイムにはサンボマスターのLIVEや、「クローズ」などで知られる漫画家の高橋ヒロシ氏が今回のイベントのために書き下ろしたというオリジナルイラストメッセージや報道写真パネルなども公開された。
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〜絆〜

復興のシンボル

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島田慎二チェアマンは試合前「震災後にできたクラブ。震災後、子供たちが運動不足になり健康にも留意しなければいけない中で、子供たちのスクール事業から始まりクラブが誕生した。地域の社会課題を解決するために誕生した全国でも稀有な存在感のあるチームだと思う。今後も是非、復興のシンボルとして支えて欲しい」と力強く語った。
福島は2013年5月に当時のbjリーグへの参入が認可された。それ以来、「福島県を元気に」を旗印に戦ってきた。

福島のマーク・セントフォート選手のヘアバンドが印象的だった。額には「絆」という文字。福島ファイヤーボンズのボンズは絆・結束の意である。福島のために戦うチームと地元地域のみなさんとの絆の象徴のようだった。

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希望を感じて欲しい

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残念ながらチームは山形戦連敗。福島の森山知広HCは「自分たちが想像している以上の支えがあって、素晴らしい環境を用意してもらった。バスケを生業にしているものとしては幸せな経験だった。結果が伴っていないのは責任を感じる。チームの状況はあるが、戦う姿勢を見せ結果を出さなければならない。」と語った。
しかし試合では、福島県出身の#21 菅野翔太選手、#11 山内翼選手、特別指定選手として加入していた#14 半澤凌太選手、3選手がコートに同時に立つ時間もあった。
森山HCは「県内出身の若い選手たちに試合に勢いを付けて欲しかったというのもあるが、震災から10年という節目のゲームで、先の10年に向けて今後も福島ファイヤーボンズを引っ張って行ってほしいし、福島のみなさんに少しでも希望を感じて欲しかった。」と理由を明かした。

彼らがBリーグのコートに立ち戦う姿は間違いなく希望だっただろう。
今後も福島のためにも戦い続け勇気を与えて欲しい。

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何度だって立ち上がるんだよ

さらに、2月28日に行われたGAME2のハーフタイムには人気ロックバンド「サンボマスター」が登場。メンバーの山口隆氏は福島県の出身である。さらに今シーズン、福島は「ロックンロールイズ ノット デッド」を公式サポートソングに起用している。

「何度だって立ち上がるんだよ」

歌詞が胸に刺さった。どんな試合、状況でも諦めない姿、どんな相手にも立ち向かう姿を想像する。
しかしそれだけではない。2月13日、福島県沖地震が発生し、東日本大震災の余震と発表された。何度だって立ち上がる…復興を目指しこの10年を戦ってきた福島や東北のみなさんの姿にも重なった。
福島ファイヤーボンズとサンボマスターのコラボは、より地域の心を一つに強く結びつけるきっかけであるはずだ。

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あの日、あの時

選手入場後には黙祷が行われ、心を寄り添わせた。それぞれが震災の記憶とともに参戦していたように感じた。もちろん画面越しでご覧になっていた方も、当時を振り返っただろう。ビジョンに映し出されるインタビューを見ながら、自分自身、当時のことを思い返していた。10年が経ち、メディアで取り上げられる機会は減ってしまった。しかし復興への道はまだ続くのだ。
さらに震災を知らない世代も育っている。ご両親とともに福島を応援する子供たち。そんな子供たちが震災を知る一助になっていたことは間違いない。
これから始まる福島ファイヤーボンズの恩返し。
地域と共に育ってきたチームは次なるステージへ地元への思い、復興への思いを背負い進んでいくだろう。

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