ビッグなプレーヤーになりたいです 広島ドラゴンフライズ 中村拓人
チャンピオンシップ(以下・CS)出場をかけて戦いを続けている広島ドラゴンフライズ(以下・広島)。4月6日7日にかけて川崎市とどろきアリーナで行われた川崎ブレイブサンダース(以下・川崎)戦、GAME1は94-60、 GAME2は98-87で連日快勝。CSへ向けて大きな連勝、前節の群馬クレインサンダーズ戦から4連勝に伸ばした。
広島は、3月に#0寺嶋良が負傷、全治8~10週間程度の右大腿骨内顆骨挫傷、右脛骨近位骨挫傷、右膝内側側副靱帯損傷と診断された。その中で、若手の選手たちが成長を遂げている。
カイル・ミリングヘッドコーチは、「良が私たちの中で重要な役割を担っていました。復帰を待っています。その中で若手選手も含め全員が、オフェンスもディフェンスも共通認識を構築できていることが今の結果につながっています」と語る。
「今シーズン、個人としてもチームとしても良い方向に向かっています」と話すのは#12中村拓人だ。両試合ともスターターで出場、GAME1では11得点、GAME2では9得点と貢献していた。
若手の活躍について#2朝山正悟は「寺島が怪我したことは不運でしたが、選手たちは自分たちのチャンスが来たと思うことがあったはず。そのチャンスを掴んで生き残るか、選手にとって成長面で重要な部分です。彼らは自分たちでチャンスを生かしました。普段から準備を怠らず続けてきた結果で、非常に細かい戦術、戦略のところを遂行できています」と話す。
中村は、「正直、良さんが怪我してチームとして心配したところもありましたが、自分がやらなくてはという気持ちも強くなりました。今こうしてスタートで出て、チームとしても良い方向に向かっているので、そこは自信を持っていきたいです。でもまだまだ課題があるので、引き続き修正してやっていきたいなと思います」とチャンスを掴み取り、着実に成長している。
修正すべき点については、「GAME2ではファールのところやゲームコントロールの部分で、もっともっとよくできると思うので引き続きやっていきたいなと思います」と振り返った。
取材中、横を通り過ぎるチームメイトから「真面目だな」「この質問は重要だぞ」といじられていた。23歳、取材応対にも初々しさが感じられた。
最後に、どんな選手になりたいか問うと、「ビッグなプレーヤーになりたいです」と笑顔で応えてくれた。
また1人、将来が楽しみな選手に出逢った。
取材後記
今シーズン限りで引退を表明している#2朝山正悟。神奈川県出身の朝山にとって、子供の頃から試合を行っていたというとどろきアリーナは思い入れのある場所だという。そんなアリーナでの試合を終え、朝山は眩しいほどの笑顔で会見に臨んだ。
ともに今シーズン限りでの引退を表明している川崎の#22ニック・ファジーカスについては、「ニックは僕がアイシン(現・シーホース三河)にいた時に突如現れて、幾度となくやられてきた相手。彼のことを心から尊敬しています。同じ時代を駆け抜けてきた相手がいなくなるのは寂しいですね。彼も一日でも長くプレーをしたいと思っていると思います。ラストシーズン、彼らしいプレーを見られたら」と語った。
ファンは朝山のプレー、ユニフォーム姿を一日でも長く見たいと思っている。その笑顔からは、朝山なりにラストシーズンを楽しんでいるように感じられた。最後までその勇姿を見届けたい。