アルバルク東京 安藤周人が見つめる先 balltrip MAGAZINE(ボールトリップマガジン)

アルバルク東京 安藤周人が見つめる先【前編】「僕たちは常に圧倒しないといけない」

3月20日のリーグ戦再開を前にハードな練習に臨むアルバルク東京(以下・A東京)。在籍3シーズン目、チームの中心選手として活躍する#9安藤周人が、いま見つめるもの、考えることはどんなものだろうか。

バイウィーク中に行われたインタビューは、安藤の厳しい言葉からスタートした。

「正直、負けが多いかなと思うし、その負けた理由も自分たちの準備不足だったり、気持ちの面が噛み合っていなかったり。もっとちゃんと準備ができていれば、負け数も減っていた。このままだったら、厳しいことを言うと優勝は難しいだろう。チャンピオンシップ(以下・CS)に向けてもう時間はない」

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表情は険しかった。A東京は現在34勝8敗、東地区2位。首位の宇都宮ブレックスは35勝7敗と1ゲーム差だ。

CSとその先を見据え常に戦ってきた。安藤は想像以上に8という敗戦数を重く捉えていた。地区上位同士の対戦について「上位だからこそ2連勝しないといけないことはもちろん。現状で満足してるようでは、後がない状況の2戦先勝方式のCS、ファイナルでは厳しい」と連勝できなかったことが反省点だったと語る。A東京在籍3シーズン目。移籍後毎シーズンCSに出場するもファイナル進出は叶っていない。

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「上位チームに勝った試合は、出だしから自分たちがやるべきことを全うし、最後までリードを保てた。ただ相手の勢いに負けてしまうことも上位チームと対戦する中で何度かあった。負けている時に、追いついてきてから高ぶってきてやるぞと切り替わるのではなく、僕たちは常に圧倒しないといけない立場」と、常勝、強豪の自負が伝わってくる。
そして何より、過去の経験からCSにステージが変わると出場クラブのレベルもエナジーもCS仕様に変わる。「CSはもっと相手もすごい。だからもっと準備が必要」と現状の課題を捉えている。

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安藤の指摘する準備とは、何が足りていないのか。「相手がどういうことをするか頭の中にちゃんと入れないといけない。スカウティングコーチやチームスタッフが選手の特徴しっかり伝えてくれるのに対して、僕らはそれを表現しないといけない立場。用意してくれたチームスタッフのためにもやるべきことをちゃんとやらないといけない。コーチも含めみんなが常に言っているが、負けたら用意してくれたスタッフに申し訳ない。勝ったら勝ったでスタッフも喜んでくれると思うが、そういうところも含めてチームだ。疲れてきたから今日はいいやではなく、支えてくれる人たちのためにもやらないといけないことがたくさんある」。安藤の言葉からは、チームの主軸、エースとしての責任感が溢れていた。

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2021-22シーズンはクォーターファイナル敗退、2022-23シーズンはセミファイナルで敗退している。「去年は去年でもちろん優勝を目指した。怪我人が多い中でもその前のシーズンより一個進めたことは、得たものも多かったし自分自身も初めてセミファイナルまで行くことができた。飛躍した年だったなと思っている。でも僕らが目指しているのはそこじゃない。セミファイナルのもう一個先の舞台に行くにはどうしたらいいのか。一人一人のクリエイトもあるが、僕たちのディフェンスがセミファイナルでもうズタボロにやられてしまった。今年移籍してきた選手たちも去年の僕たちが持っていたメンタリティを常に一緒に作ってくれている。ただ最近の試合では点の取り合いになってしまっていた部分があったので、自分たちはもう一度ディフェンスのチームと改めて認識し、バイウィークの練習でもしっかりと準備している」と、ハードな練習の中に充実感をのぞかせていた。

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日本代表として活躍する#8吉井裕鷹や#3テーブス海に加えて、ブラジル代表#23レオナルド・メインデル、スペイン代表#11セバスチャン・サイズなどチームメイトからの刺激、学びも大きい。

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その分、周囲のチームに対する期待度は高い。「各国の代表選手が集まり、周りから見たらいい選手が揃ってると思われているが、一つでもずれたらボロがすぐ出てしまうのが、今のチームの現状。いかにボロが出ないようにできるか」が重要だ。

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その中で、「彼らがいるからこそ自分のレベルも上がる。そして各国を代表する選手たちの準備の仕方もすごく勉強になるし、試合に向けてのルーティーンも確立されている。試合に対する準備の仕方も、代表選手クラスになるとやっぱり違う。プレー面もそういうプレーができるんだと発見がある」と環境に恵まれている。
安藤はメインデルを例に挙げた。「真似できそうだなと思ったら、スキルコーチに相談して練習してみる。レオのスキルは正直誰でも真似できそうなスキルで、速くもなければ体がめちゃくちゃ強いわけでもない。ただ、いなし方はスキルコーチもすごいというレベルで、逆に勉強になる。彼のドリブルも、ステップの使い方もすごく上手なので、そういったところは常に学ばせてもらっている」、そう話す安藤の表情はどこか楽しそうに見えた。

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後編では安藤自身の変化や役割についてなど、深掘りしていく。
※後編は2024年3月19日20時に配信します

文:木村英里
写真:濱田茉里オガワブンゴ

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