泥臭いところで陰から支えられる選手に 川崎ブレイブサンダース 野﨑零也
アウェー3連戦を2勝1敗で終えた川崎ブレイブサンダース(以下・川崎)。10月25日に琉球ゴールデンキングスに勝利した川崎は、28日29日と大阪市のおおきにアリーナ舞洲で大阪エヴェッサ(以下・大阪)と対戦した。
GAME1、79-74と勝利したものの、GAME2では72-92と西地区首位の大阪の勢いを見せつけられた。
GAME1、後半に勢いをもたらしたのは、今シーズン加入した#12野﨑零也だった。GAME1の試合後に話を聞いた。
大阪は対戦前、7連勝中と勢いに乗っていた。「ミーティングで、連勝を止めるのは川崎だと話していた。連勝を止められたことはよかった。ただ前半、後半ともに入りが悪かった。そこは改善したい。セカンドユニットの時間もターンオーバーが続く時間もあった。スターターもセカンドユニットもチーム一丸で入りから圧倒しなければ」と、試合を振り返っていた。
自身としては、「ここ数試合、打てるところでシュートを打たずにパスをしてしまい、消極的なことが多かった。今日はタッチも良かったので積極的にゴールを狙っていくことを心掛けたことが結果に繋がった」という野﨑。その姿勢が川崎に流れを呼び込んでいた。
GAME1終了後、佐藤賢次ヘッドコーチ(以下・HC)に野﨑について問うと、「役割を把握できてきている。体の強さを活かした激しいディフェンスやチャンスがある時にしっかりボールプッシュしてファストブレイクに繋げてくれる。今日はいいところでスリーポイントも決まった。どんどん強みを出せるようになってきていて、チームメイトも理解してきている」と期待していた。
まだ課題はあるが、野﨑自身も着実に手応えを感じているようだ。「オフェンスはまだまだ確率が悪く乗り切れない部分があったが、ディフェンスの部分ではボールへのプレッシャーなどシュートが悪くても絶対に曲げずにやり切ることを常に心がけている」という。
GAME2では、前日の修正点を遂行し、自信を持ってプレーする大阪相手に苦しんだ。大阪のスリーポイントシュートの成功率は50%と高確率で決まった。「(大阪の)#32アンジェロ・カロイアロに好きなようにやられてしまった。昨日の反省からインサイド対策で(スターターを)#25ロスコ・アレンに変えたが外からやられた。ディフェンスシステムでもう少し早く反応したり手を出したりしなければいけなかった。ローテーションで足を動かしてもリバウンドを取られてしまった。完成度をさらに高めなければ」と、佐藤HCは悔やんだ。まだまだチームとして突き詰めることは多い。
川崎にとって、今シーズンは#22ニック・ファジーカスのラストシーズンという特別なシーズン。「ディフェンスなど泥臭いところで、陰から支えられるように。川崎には点数を取れる選手はいっぱいいる。そこにプラスになれるように得点も取りつつ、あまり誰もやらないような、ディフェンスで盛り上げられるような選手になっていきたい」と、野﨑は控えめに語る。
野﨑の魅力を北卓也ゼネラルマネージャーは、「決まった動きの中でディフェンスが読みづらい動きをする」と話していた。野﨑に限らず、#20トーマス・ウィンブッシュなど、川崎に新たな風を吹かせられる戦力が加わっている。
川崎加入時、早くに引越しをしてきて周囲を驚かせたというエピソードがある。「ビッククラブに呼んでもらったので気を引き締めないと、と思った。早く引越ししすぎた」と笑うが、それほど覚悟を決めて移籍した証拠だ。陰と言わず、積極的に川崎に変化をもたらす存在にもなることを期待したい。