徳島ガンバロウズ、セミファイナル進出ならず “渦”は次の舞台へ

B3リーグはプレーオフクォーターファイナルが行われた。徳島ガンバロウズは、4月24日から26日にかけて、東京ユナイテッドバスケットボールクラブ(以下、TUBC)とセミファイナル進出をかけて戦った。
GAME2に敗れた直後、小林康法ヘッドコーチ(以下、HC)は「明日は40分間、これまでやってきたことを信じて、仲間を信じて、チームを信じて、ブースターの皆さんの愛を信じてやるだけ」と語った。
そして、1勝1敗で迎えたGAME3。2クォーター以降、得点が伸び悩み、58-75で敗れた徳島は、あと一歩届かずセミファイナル進出は叶わなかった。

勢いに飲まれない“遂行力”

試合後、「遂行しきれなかった」ことを敗因として挙げたのは、森山修斗だ。
「落ち着かせて最小限の失点に抑えなければならないところ、流れを止められてしまった後もオフェンスをしっかり遂行すること。勢いを持って行かれてしまった時に、相手の勢いに飲み込まれずにソリッドに守ってオフェンスを組み立てられていたら、もう少しいい展開になったのかなと思います」
悔しさを滲ませながら振り返った。

中には、プレーオフに緊張していた選手もいれば、熱くなっていた選手もいた。森山は、「正直、それがいいように働く場合もあれば、熱くなりすぎて空回りする場合もある」と指摘していた。レギュラーシーズンとは異なるメンタルやモチベーション、そして届かなかった悔しさ。これらの経験は、来シーズン以降、徳島にとって大きな学びとなる。今回、セミファイナル進出を果たしたTUBCの、ボールをハードに追いかけ、くらいつく姿勢。その裏には昨シーズンの苦い経験と、今シーズンに賭ける強い覚悟があった。TUBCは昨シーズンのプレーオフでアップセットを許す悔しさを味わっている。その経験が、今のチームの姿につながっているのだろう。
そして試合後、徳島の小林HC、選手、社長がファンへ挨拶していた際には、徳島の選手たちがコートを後にするまで、TUBCの選手やスタッフ、関係者が拍手を送っていた姿があった。その光景は、勝敗を超えたリスペクトを象徴しているようだった。

託された責任の重み

試合後、涙を流しタオルで顔を覆っていた塚本雄貴。その胸の内を、試合後に聞いた。
「昨日のGAME2もそうですが、最後の大事なところでヤスさん(小林HC)に託してもらって、勝ち切れなかったところ。今シーズンは、ヤスさんの要求に応えることが、自分にとって大きな意義でした。だから、そこに応えられなかったこと。そして応援していただいた方に勝利をプレゼントできず返せなかったこと。本当に悔しい思いでした」
塚本は、取材中も込み上げる思いに目を潤ませていた。

チーム創設から在籍している。
「今シーズン、大きく一丸となっていたと思います。その中で、もっと徳島にバスケットを浸透させていきたいと思っていました。たくさんの方が一体感を持って、我々のバスケットに対して大きく感情を揺らしてくれました。常に熱い想いや愛情を我々に送ってくださって、プレーオフでより感じられましたし、それを肌で感じれながらプレーができて幸せでした」
塚本は、そう徳島ブースターへの感謝の言葉を口にした。

小林HCは敗戦後のミーティングで、「本当にみんなと戦えて幸せだったし、大好きなこのチームでまだまだ試合がしたかった」と話したという。試合後、涙ながらに、ブースターや関係者へ感謝の言葉を述べていた。また、その姿に多くのブースターが共に涙を流していた。よく小林HCは「一枚岩で」という言葉を使っていた。徳島ガンバロウズというチームが徳島で渦を巻き起こしているのだと感じることができた。

徳島ガンバロウズが巻き起こしてきた“渦”は、この敗戦で終わるものではない。来シーズン、B.ONEという新たな舞台で、その渦をどこまで大きくできるのか。この悔しさを糧にした徳島の挑戦に、引き続き注目したい。
そしていつか、この日の悔しさを「あの日があったからこそ」と振り返る瞬間が訪れるはずだ。

文:木村英里
写真:徳島ガンバロウズ

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