balltrip FOCUS 長崎ヴェルカ 松本健児リオン

[FOCUS 長崎ヴェルカ] 松本健児リオン インタビュー VOL.2

バスケットボール選手としてプレーする場所がないことほど辛いことはない。

そんな松本健児リオン選手の下に長崎ヴェルカの伊藤拓摩GM兼HCから「プレーを観たいからトライアウトに来ないか」と誘いが届いた。「もちろん行きます」と即答した。
そのトライアウトで松本選手は長崎ヴェルカとの契約を勝ち取った。

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伊藤GM兼HCは松本選手について「流れを変えられるエネルギーを持った選手」と評していた。
「バンビシャス奈良では途中からの出場が多かった。流れを変えなければと思いコートに立っていた。シュートを決めるだけでなくディフェンスやルーズボールなどチームを鼓舞するプレーを誰にも負けないようにしたい」
プロの厳しさを痛感してきた。だからこそ長崎ヴェルカでは結果を残したい。

「自分の持てる全てを出し切りたい。長崎でキャリアを終わらせるつもりで僕は来る」

この言葉が全てを表していた。
全てを捧げたいと思えた理由は「長崎にはなかったプロバスケットボールクラブが誕生するという上で、自分が第一号契約選手になる。その分ふさわしい仕事をしたい」そう思えたからだ。

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「これまでは選手として言い訳できる環境にあった。選手のモチベーションが下がるということも実感した」が、長崎ヴェルカは素晴らしい環境を提供してくれる。練習では、ジャパネットホールディングスが福利厚生で使っていた体育館を使用予定で、現在改装中。「環境はとてもいいだろう」と期待を膨らませた。言い訳のできない環境で、あとは「結果を出すだけ」なのだ。

長崎ヴェルカへの期待感は計り知れない。「とても可能性を持ったチーム。Bリーグの中でもそのうちトップになっていくだろう。そこでプレーができる喜びを感じる」と噛み締めた。
「ゼロからのチーム立ち上げという歴史的瞬間に自分が一部として、一緒に歩んでいけることは魅力的だと思った。チーム創設時のメンバーは一生残る。しかも第一号契約選手は年を取ってからも自慢ができる」
第一号契約選手として契約書にサインをする瞬間。興奮はしたのだが「このご時世、電子サインだったので残念だった(笑)」そうだ。

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長崎ヴェルカのチームとしての始動は7月以降になるだろう。現在は契約選手は4人のみであるが、その頃には所属選手も増えているはず。
「今は1年試合をしていないから体作りや自分の苦手な面に集中して取り組んでいる」という。

プロを初めて意識した開幕戦でアルバルク東京を指揮していた人物こそ伊藤拓摩GM兼HCだ。長崎ヴェルカで彼の下プレーをすることになる。「純粋に嬉しいし、感慨深い。すごいキャリアを持っていて、日本もアメリカのバスケットボールも知っている。伊藤GM兼HCの下で学べることは貴重だ。たくさん吸収したい」と意気込む。
「すごく優しくて話しやすい」という伊藤GM兼HC。初めて話したのは電話越しだったが「初めて話した気がしなかった。最初から自分を出せた」と振り返る。そんな伊藤GM兼HCの人柄や関係性も長崎ヴェルカでの挑戦を決めた要因になったのではないだろうか。

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長崎ヴェルカはプレー以外の面も選手に求めている。
「長崎の人に愛される選手になれるか」
これはクラブが掲げる地域創生。その中で愛されることはとても重要なポイントだ。そうでなければ地元を盛り上げることはできない。
伊藤GM兼HCは、松本選手について「バスケットボール以上の価値、人間性の高さを感じた」と語っている。
「プロバスケットボール選手は夢を与える職業。地域貢献は前からしたいと思っていた。個人的に考えているのは施設の子供たちを毎試合招待するなど、子供に夢を与えながら地域を盛り上げられることをしたい」と松本選手は語る。まさにチームが求める選手像であった。

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長崎県全体に愛されるチームになるために今必要なことは「長崎ヴェルカを広めること」。選手もまだ揃っていない、練習や試合をすることはできない。「チームを知ってもらうためにSNSも頑張る」と笑う。実は、松本選手はモデル活動もしている。「契約満了後の何もない時期にSNSを頑張っていたら、モデルの撮影依頼があった」そうで、今後もモデル活動は継続していく。魅せるという部分では得意だろう。

モデル活動を続ける裏には「バスケットボールだけじゃなく、色々やっていかないと」という危機感がある。やはり、そこには「バスケットボールが無ければ、何も無いという状況」で、続けたくても続けられなかった苦い経験が影響している。
松本選手は、その間に勉強にも励んでいた。「お金のこと、不動産、選手としてバスケットボールをしながらもできること」は何か真剣に考えていた。
今回の長崎でのチャレンジについて、バスケットボール選手の仲間から「めっちゃ良いじゃん」という反応が多いらしい。それは「選手たちはBリーグのチームの経営状況も知っている」からで、「大変なチームが多い中ジャパネットが立ち上げたチームでできることは良いな」とよく言われるそうである。

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今はまだ拠点は名古屋にある。長崎で生活するのはこれからだ。しかし、度々訪れながら長崎県の魅力は実感している。
「稲佐山は景色がとても綺麗。街が一望できて気持ちが良い。夜景も見てみたい。ちゃんぽんを中華街で食べたりもしたが、おいしかった」と教えてくれた。

最後に「長崎ヴェルカを知ってもらいたいし、日本を代表するクラブになるから注目してほしい。長崎ヴェルカをゼロから一緒に作り上げて、B1目指して頑張っていきましょう」とメッセージをくれた。
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取材場所:グラバー園

文:木村英里
写真:オガワブンゴ

松本健児リオン(長崎)インタビュー VOL.1

選手プロフィール

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松本健児リオン Kenji leon Matsumoto
#1
出身校:名古屋経済大学
出身地:神奈川県
生年月日:1994年5月30日
身長(cm):183cm
twitter:@91_kenji
instagram:@kenji_leon_91

クラブプロフィール

長崎ヴェルカ
長崎ヴェルカ NAGASAKI VERCA
HP:https://www.velca.jp/
twitter:@n_velca
instagram:@n_velca
Youtube:長崎ヴェルカ公式Youtube

「ヴェルカ」には、
①Welcome
②Well community
③Victory
の3つの意味をかけています。V・ファーレン長崎のように長崎で親しまれるクラブとなり、長崎らしい良い文化を取り込みながら、それと同時に地域創生を目指してほしいという想いを込めています。

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