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「選手の特徴を歌詞に」今シーズンも注目のアリーナMC 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ KURO(HOME MADE 家族)  balltrip MAGAZINE(ボールトリップマガジン)

「選手の特徴を歌詞に」今シーズンも注目のアリーナMC 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ KURO(HOME MADE 家族) 

2024-25シーズンの開幕を前に準備を進めているのは選手やスタッフだけではない。アリーナを盛り上げる演出チームも然り。先日名古屋市のドルフィンズアリーナで開催されたAICHI CENTRAL CUP 2024でもMCを務めたKUROさんに話を聞いた。

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2004年にHIP HOPユニットHOME MADE 家族としてメジャーデビューしたKUROさんは、ミュージシャン、作詞家、小説家など様々な分野で活躍中。そんなKUROさんが名古屋ダイヤモンドドルフィンズのホームゲームでメインMCを務めるようになったのは昨シーズンのこと。

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出会いは偶然、司会を引き受けた結婚式の新郎がBリーグ関係者だったのだ。高校、大学次時代はバスケットボール部でプレーをしたり、アメリカのドリームチームに影響を受けたりしていた。バルセロナオリンピックでマイケル・ジョーダンらが輝いていた時代。「めっちゃドリームチームでした。スラムダンクもすごく流行っていて、ファンションもミュージックも両輪でバスケは昔から好きですね」と語る。現在も芸能界のバスケ仲間と集まりバスケを楽しんだりしているという。
バスケへの思い入れは強かったKUROさんも、「あまりにも違う世界だし、ルールも変わっていたので。バスケは好きだけど大丈夫かなというのが正直な気持ちでした」と就任当初は怖さを感じていた。

実際にシーズンが始まると、ショックを受けた。
「バスケがこんなに盛り上がってるのか」

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昨シーズンを振り返ると、W杯がオフシーズンに開催され日本は大躍進し、バスケ熱は大きな盛り上がりを見せていたタイミングだった。コロナ禍で応援が制限されることもなく、新たなファンも増え、会場内の演出や応援スタイルを再構築するには最高のタイミングだったのではないだろうか。
「たまたま良いタイミングで。オリンピックが決まっていたり、ちょっと便乗させてもらったという感覚なんですが、もうとにかくライブ並みにお客さんの声が返ってくるんです。これはスポーツだけどエンターテインメントだなと。ならば僕にもやれることがあるんじゃないかなと思いました」と、KUROさんは振り返る。

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KUROさんは、シーズン中にある提案をする。

「シーズン前半が終わって選手の特徴がちょっと分かるようになりました。これだったら歌詞を書けるなと書いてみたんです。それが後半からハマった感じですね」

シーズン後半、選手紹介はKUROさんのラップパフォーマンスによって披露されるように演出は変わった。チャンピオンシップの取材で訪れた際もまさに会場はライブ会場。ファンはホームアウェー関係なくノリノリの空間だった。試合が始まる前に、ライブのようなコールアンドレスポンス。ウォーミングアップは完璧、試合中の声援のボリュームは必然と上がる。
(2024年5月23日の記事/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ セミファイナル敗退も確立されてきたチームカラーやカルチャー)

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「今シーズンは選手も変わってるので、まだチーム作りはこれからだなっていう連携を見ていても思います」と、AICHI CENTRAL CUP 2024を戦うチームを見つめていた。
齋藤拓実からは「ラップで紹介を今シーズンもぜひやってほしいんです。できれば後半から」とリクエストを受けた。昨シーズンも「選手のプレイスタイルがまだ頭に入っていなかったのでシーズン序盤には多分歌詞を書けなかったと思います」と話す。今シーズンも選手が入れ替わっている。新加入選手のプレーをKUROさんがどう表現するのかも楽しみに、シーズン途中で作成されるであろう選手紹介ラップを待ちたい。取材時にはシーズン前半の演出を練っていることを明かしてくれた。

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「去年あともう一歩のところで、ファイナル進出、優勝を逃してしまったので、チャンピオンシップで頂点に立つことが目標です」と話す。2シーズン目となるKUROさんらの後押しは目標のために必要不可欠。
「ドルアリ(ドルフィンズアリーナ)はファンのことドルファミと呼ぶくらい、老若男女が集まり温かい雰囲気もあり、アウェーチームに対するスポーツマンシップやおもてなし精神もすごくある優しい空間です。その空間が居心地がいいんです。僕がドルフィンズを全然知らなかった時に、初めてドルアリを訪れていい空間だなと思ったように、きっと初めて訪れた人も馴染めると思います。気負わずに来てもらえたら。選手は素晴らしい試合をしてくれますし、僕ら演出陣は、そこにさらにライブ要素、エンターテインメント要素をプラスします。来て良かったと思ってもらえる空間を作るので絶対損はさせません。ぜひ遊びに来て欲しいなと思いますね」

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KUROさんはMC就任時のことをこう振り返っていた。
「普通の司会者じゃないので、初めに僕が司会を求められるんだったら、違う人の方がいいと思いますと言ったんです。僕がもしやらさせていただけるのなら音楽的なアプローチしかないですと言いましたが、むしろ苦肉の策というか」
苦肉の策が唯一無二の存在になりつつある。KUROさんが今シーズンを通してどんな演出を繰り広げるのか、そして選手からも期待を集めるラップによる選手紹介も楽しみに待ちたい。

ラッパーが辿り着いたのはバスケのMCだった。類を見ないニッチな奮闘記。
https://kakuyomu.jp/works/16818093082826305600

文:木村英里
写真:佐渡一翔オガワブンゴ

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