
任せてもらっている以上結果で恩返ししたい ベルテックス静岡 柏倉哲平
B2リーグのベルテックス静岡(以下・静岡)は、9月13日14日、川崎市にある東急ドレッセとどろきアリーナでB1リーグの川崎ブレイブサンダース(以下・川崎)とのプレシーズンゲームに臨んだ。この試合、特別な想いを持ち楽しみにしていた選手がいる。静岡の柏倉哲平だ。昨シーズン所属していた川崎との対戦。
「去年1年間一緒に戦った仲間ですし、練習でもやりあっていた選手たち。その中で、自分がどれぐらいやれるか試す場でもあったので、すごく楽しみにしていましたし本当に楽しかったです」
試合後そう振り返った柏倉に、静岡へ移籍を決めた理由や今シーズンに掛ける想い、さらには仲良しなあの選手についても話を聞いた。
森高大ヘッドコーチと橋本竜馬選手の存在
今シーズンのテーマはスコアを狙うこと。「自分が起点となるケースが多いので。これまでは回りを活かすマインドでやってきましたが、平均2桁ということを自分の今シーズン一番の目標にしています。それが必ずこのチームのオフェンスの流れを作ると思っているので」と今シーズン掲げていることについて教えてくれた。


そんな柏倉が、今シーズン、新たな挑戦の場に選んだのは静岡だった。そこには2人の存在があったという。森高大ヘッドコーチと橋本竜馬だ。「森HCに教わって、成長したい思いが一番強かった」という柏倉。「森HCはコミュニケーションをたくさん取ってくれます。何を求めているかもそうですし、こういうこともできますよねと提案した時にも、すごく耳を傾けてくれます。任せてもらっている以上、本当に結果で恩返ししたいなという気持ちは強いです」と、力強く語った。
また橋本についても「川崎に篠山竜青さんがいたように、誰もが経験できないような代表の舞台なども経験している選手なので、本当に得られるものがとても大きいです。バスケット以外の部分でも学ぶことが多いので、そういう存在が自分の先輩であることは心強いです」と話していた。
柏倉のリーダーシップと責任感は静岡にとって新たなエッセンス
静岡へ移籍後、自身の責任が大きいと感じている。
「これまで、周りにできる選手がたくさんいる中で、その選手たちをどう生かすのかは考えていましたが、今はそれぞれ選手の特徴がある中でズレを作る場面で、しっかり役割を担わなければいけないと感じています。今日の試合もそうですが、そこでディナイされボールを受けられなかった時とかにオフェンスが詰まってしまうなど、そういうことを起こさないためにもしっかり責任を持ってプレーをしなければいけないと思っています」
そう前を見据えて話す姿からは責任感がしっかりと表れていた。


森HCは柏倉について、「リーダーシップと強いディフェンスは僕らがポイントガードに絶対求めることで、そこをもたらしてくれていることにはすごくハッピーです」と話し、すでに好影響を与えている。
柏倉は「役職関係なく、リーダーシップを持って引っ張っていけることが自分の強みでもあります」と話していた。森HCからは「自分がどんなに悪いパフォーマンスだったとしても、そこに左右されずリーダーシップはスタンダードに発揮する」ことを求められている。ベテラン選手に頼るのではなく、柏倉らしく、プレーや言葉や姿勢でチームを牽引していくシーンが多々見られることだろう。
さらに森HCは、「オフェンス面でクリエイターとしての役割が川崎時代よりも大きいと思います。それに対して良い形で答えられるように彼もまだステップアップできるはず。期待しています」とエールを送っていた。
仲良し!林翔太郎選手
川崎とのプレシーズンゲーム。残念ながら川崎にかつて在籍していた林翔太郎はコンディション不良のため不在だった。そんな林とは、これまでアルビレックス新潟BB、滋賀レイクスターズ(現・滋賀レイクス)で共にプレー。とても仲が良いことで知られている。「久し振りに一緒のチームはどうですか?」と問いかけると、「いやぁ〜いいですよ〜。とっても楽しいです!」と満面の笑みだった。
「仲が良い分、通じ合うものがある」という二人。「コート上でも暗黙のコミュニケーションというか言わなくてもできるプレーがあります。普段から色々なコミュニケーションをとっています。本当に頼もしい存在です。新しいチームに仲が良い選手がいるのは安心できるところでした」と林のことを話す柏倉は「本当にとどろきで一緒にプレーをしたかったですね」と悔しがっていた。
いつかまた二人が思い出のコートでプレーするところを見たいものだ。
最後に、「今シーズン、チームの昇格はありませんが、今後アリーナができるなどチームにとっては大事な 1シーズンになると思います。その中で優勝という目標を掲げているので、自分が貢献できるように責任を持って挑みたいと思います」と明言した。
新たな環境ですでに充実している様子が垣間見えた。自身のプレーでチームを優勝に導くことができるのか。今シーズンの挑戦に注目したい。