[バスケを撮ろう!]ISO感度
フォトグラファーのオガワブンゴです。バスケ撮影をしている方のお役に立てればと思いこの連載をスタートしました。撮る位置が皆さんと違うので一概に「こう撮ります」と断言はできませんが、オガワブンゴ的な設定や感覚を書いていきます。バスケ撮影をする方の「ひとまず」的な基準になればと思っていて、その後は撮影する皆さんがどんどんアレンジしてカッコいいバスケ写真を撮ってもらえたら嬉しいです。
ISO感度、ちゃんと読めますか!?
ISO感度は、「いそ かんど」もしくは「アイ エス オー かんど」と読みます。
F値(絞り)、シャッター速度、ISO感度のバランスで写真が撮れるわけですが、今回はこの3つの中から「ISO感度」をテーマにしてみます。
ISO感度で検索をかけるとたくさん情報がでてきますので、具体的な部分はそれらのサイトにお任せするとして、今回は僕が感じているバスケ撮影においてのISO感度になります。カメラを持ち始めた方をイメージして、とにかく簡潔に、わかりやすく書いてみました。
それではいってみましょう!
【B.LEAGUEの撮影ルール】
B.LEAGUEでは、試合の写真撮影はOKですが、「明確なルール」があります。
・「試合中の写真撮影」は、「個人での利用を目的とした場合」に限り可能
・「15秒以内の動画撮影」は、「個人での利用を目的とした場合」に限り可能
・フラッシュはNG
※たまに、AF補助光(距離を測るための赤い光)がついている方がいます。これも消すように事前にカメラの設定を確認してください。
その他、ゲーム主催クラブの指示に従い、ルールを必ず守って、ゲーム運営、選手、観戦している周りの方に迷惑を掛けないようにしましょう。
ISO感度とは
ISO感度とは、レンズから入ってきた光を、カメラの中でどれくらい増幅させるかの数値です。
お持ちのカメラでISO感度を見てみると、「100、125、160、200、250、320・・・・」という数字が並んでますよね。
この数字を上げていくことで「どのくらい光の量を増幅させるのか」を決めていきます。言い換えると、これらの数字を上げることで、「明るく」していきます。
バスケ撮影においてのISO感度
風景撮影、ポートレート撮影、商品撮影、プロフィール撮影、料理撮影など、どんな撮影においても自然光やストロボ光といった「光」を必ず使ってますよね。バスケ撮影をしている僕たちはアリーナで照らされている「光」を使います。
明るいアリーナもあれば暗いアリーナもあったり、フリッカーがでてしまうアリーナもあったりと多様な環境がありますが、いずれにしてもこの「アリーナの光」と上手にお付き合いをしなければなりません。
■光の量×ISO感度
光の量は、「F値(絞り)とシャッター速度」で決まってきますが、アリーナでの撮影の場合、
F値(絞り)は開放、もしくは開放に近い設定(F1.8やF2.0など)が良いかなって思ってます。F値を上げるとパキッとした写真にはなりますが、どうしても暗くなってしまいますよね。
また、シャッター速度を遅くすると、光を取り込む時間が増えるので明るく撮ることはできますが、当然ブレとの戦いになり「自分の手ブレ」と「被写体ブレ」を引き起こす可能性が増えてきます。
このF値(絞り)とシャッター速度の設定は、カメラに取り込む光の量を決定しますが、同時に、撮影者にとって写真のテイストや個性を表現する要素の一つでもあります。
そのため、「明るさ」のためだけに「自分が理想としている写真のイメージ」を犠牲にするのはちょっと寂しい。
そこで登場するのが、ISO感度になります。
「光の量」と「自分が理想としている写真」のF値(絞り)とシャッター速度にしながら明るさをいじれる手段がISO感度になります。
ちょっとオーバーに書きましたが、バスケ撮影においてはISO感度で明るさを決めるぐらいの感覚で問題ないと思いますし、実際に、僕はISO感度で明るさを決めています。
■ノイズが出始める数値
ここで問題になるのが、「どれくらいのISO感度でノイズが出始めるか」です。
元気いっぱいにISO感度を上げていくと、明るい写真が撮ることはできますが、ざらざらとしたノイズが発生してきます。
これはカメラによって変わってきますが、この「ノイズが出始める数値」をしっかり把握しながら、ISO感度を設定してみてください。もちろんノイズが出始めるギリギリに設定したとしても明るさが足りないこともあります。その場合は、割り切ってシャッター速度を遅くしながら微調整をしてみましょう。
最初のカメラの設定
■スタートライン
最初はこのあたりからいってみると良いのかなっていう設定を書いてみます。
●モード・・・マニュアル(M)
●シャッター速度・・・1/800
●F値(絞り)・・・F2.8、もしくは数字が一番低いところに設定
●ISO感度・・・1000
まずこのあたりからはじめてみると良いのではないでしょうか。この設定で準備しておくという意味ですね。
自分がイメージする写真が撮れるシャッター速度を選手がアップしているときに探し、その後に明るさの調整ということでISO感度を設定するという流れが一番シンプルなような気がします。
■オガワブンゴの基本設定
ちなみに、ゲームを撮るときの僕のカメラ設定は下記になります。
この下記の設定で準備しておいてから、最終的にアリーナの明るさに合わせてISO感度を調整します。
だいたいISO感度1000〜4000あたりで落ち着きます。
●使用カメラ・・・SONY α9、SONY α7iii
●モード・・・マニュアル(M)
●シャッター速度・・・1/1250
●F値(絞り)・・・F2.8、もしくはF2.0
●ISO感度・・・1000
まとめ
バスケ撮影においてのISO感度は、写真の明るさを決める重要な機能になります。
まずは、ご自身のカメラがどのくらいまでISO感度を上げれるかをチェックしてみてください。自宅でカメラをイジりながらチェックできるのでアリーナに来る前に把握しておくことが賢明かなって思います。
道に迷う人の特徴は「自分がいる場所がわからない」ことが多いと言われますが、上記の「最初のカメラの設定」は、「自分がどんな設定でスタートしたら良いかわからない」方のための初期設定みたいなイメージで書いてみました。
F値(絞り)を決めて、シャッター速度を自分がフィットするところにし、最後に明るさを調整するためにISO感度を設定してみてください。
正解はひとそれぞれなので、自分にフィットする設定をみつけてバスケ撮影を楽しみましょう!
オガワブンゴ Bungo Ogawa
バスケやミュージシャンといった動きのある被写体を主に撮影。Podcastクリエイターとしても活動し、「MOOKSTUDY日本の歴史」はランキング上位に常にいる人気番組。
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