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「インフロニア B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2026 」 レベルアップするユース世代、その先にある世界への扉

3月末に開催されたインフロニア B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2026で、琉球ゴールデンキングスU15が見事、大会連覇を果たした。チームを率いる末広朋也ヘッドコーチに、balltrip MAGAZINEが前回話を聞いたのは2年前、同大会終了後のことだ。(→記事はこちらから
この間、ユース世代のレベルは年々上がり、現在、Bリーグのアンダーカテゴリーはトップリーグに負けないほど勢力が拮抗している。そして、末広HC自身も今年から男子U17日本代表のヘッドコーチに就任している。「2年前から比べても、Bリーグのユースチームからナショナルチームに入る確率が増えていますね」と語り、6月末からはじまる「FIBA U17バスケットボールワールドカップ2026」への期待も高まっている。

レベルアップするユース世代

U15世代の中で、「オールラウンドにプレーする選手が増えてきて、すごくレベルの高いゲームが作れるようになってきました」と末広HCは話す。「B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP」で琉球を連覇に導いただけでなく、過去には当時指揮を執っていた名古屋ダイヤモンドドルフィンズU15でも同大会3連覇を達成するなど、その手腕は折り紙付きである。
「高いレベルで切磋琢磨できていると感じます。対戦したファイティングイーグルス名古屋U15がいる愛知県もそうですが、県内にたくさんチームがあり、1年を通して各チームが揉まれ合います。その競争環境がすごくいいなと思います。今回、決勝トーナメントに来れなかったチームの中にも、メインコートにふさわしいチームはたくさんあったので、本当に紙一重でした」

今大会では、各クラブの育成環境にも変化が見られた。前回記事でも紹介したシーホース三河U15でチームをサポートする柏木真介ユース巡回コーチも、U15世代の特徴についてこう語っていた。
「ユースを見ていると、トップチームと近いことをやるチームが多い印象。でも、できるチームとできないチームの差があります。そのためには技術やある程度のバスケットIQも必要だからです。だからこそ、僕は基礎的なことが大切だと思いますし、その良さを活かすバスケットとはどういうものかを考えます。U15は、シンプルにやること。そして判断力が大事ですね」

その上で柏木コーチは、「選手たちは、技術やメンタル面だけでなくバスケットの知識が豊富だからこそ、選手たちの意思に対し受け身になってしまうコーチも多い」と、難しさも指摘していた。しかし柏木コーチには、これまでの経験から最適解を明確に伝えることができる。「選手を納得させられなければチームからは不満が出るでしょう。選手が求めるものに対してしっかりと答えを持っていれば、そんなに大きな問題ではない」といい、自身の経験を、選手だけでなくスタッフにも共有し、チーム全体の底上げを図っているのだ。

そんな三河の柏木コーチの存在については、「例えば、局面ごとの駆け引きでは、僕がどれだけ努力しても見つけられないものを柏木さんは絶対に持っていると思います。子どもたちが、その貴重な話を実際に聞くことができる。それはクラブとして非常に素晴らしい取り組みだと思いますし、そういうことが増えてきていると思います」と、末広HCも語っていた。

ユース世代のレベルアップ。その裏には、各チームが選手たちのためにより良い環境を整える努力もある。
そうした環境の中で、指導者たちも学びを続けている。自身も多くのコーチから刺激を受けているという末広HCはこう語る。
「選手たちだけでなく僕もたくさんチャレンジをしながら積み上げてきました。日頃の練習や、攻めの采配などの質を高めるために、僕も常に研究しています。その質の変え方は本当にたくさんあります。僕はシンプルに、人から真似ることが大事だと思っています。いいものはすぐ取り入れる。でもその時々に、選手たちにあっていることは何かをちゃんと考えて選手たちに落とす。そして、また選手のパフォーマンスを見ながら試行錯誤して繰り返します。選手たちがたくさんチャレンジするだけでなく、コーチもそれが必要なのかもしれないですね。僕もそうやって勝利を掴んできました」

群雄割拠の様相を見せるユース世代。末広HCの言葉は、これからユース世代を育成していくコーチたちにとってもヒントになるのではないか。

世界へつながるユース育成

各クラブ、コーチのレベルアップ、選手層の底上げは、世界へのチャレンジへとつながる。前述の通り、6月末に開幕する「FIBA U17バスケットボールワールドカップ2026」で指揮を取る末広HC。常に世界を見据え挑戦を続けている。

「目標はグループリーグ1勝、アジア1位です。アジアから出場するのは、日本と中国。直接、中国と当たるかはまだわかりませんが、僕たちがどこかで一勝できれば中国よりも上に行く可能性があります。本当は直接対決したいですけどね。まず、グループリーグ一勝!大きな目標目指して頑張ります」と熱く語った。日本はグループAに属する。同グループには、イタリア、アメリカ、フランスという世界の強豪国が顔を揃えており、厳しい戦いが待っている。今回、B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2026で活躍した選手からも末広HCと共に戦うメンバーがいるだろう。
「世界でもチャレンジしてきますよ」
笑顔で語る末広HCが印象的だった。期待が膨らむ。

文:木村英里
写真:佐渡一翔

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