福島ファイヤーボンズの2024-25シーズン 目指すスタイルは「フローオフェンス」

福島ファイヤーボンズの2024-25シーズン 目指すスタイルは「フローオフェンス」

新シーズンの開幕が1ヶ月後に迫るBリーグ。8月31日、9月1日とB2リーグの福島ファイヤーボンズは、B1リーグの越谷アルファーズ、宇都宮ブレックスとの練習試合に臨んだ。宇都宮との試合は、69-48で敗れ、多くの課題が見つかった。

福島ファイヤーボンズの2024-25シーズン 目指すスタイルは「フローオフェンス」 balltrip MAGAZINE(ボールトリップマガジン)

福島の栗原貴宏ヘッドコーチは、「B1チームはインテンシティが違います。その中でどれだけできるのか試しましたが、自分たちがやりたいことをさせてもらえない時に慌ててしまったり共通認識を持てず悪い方に行ってしまいました。今だからまだ許されるところもあります。今いるメンバーでやれることをやっていかないといけないです」と振り返った。

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今シーズン、チームが目指すスタイルは「フローオフェンス」。「全員が連動し、パスでボールを動かしながらチームでシュートを作り上げていく」ことを目指している。「練習では少しずつ良くなってきていました。でもいざ試合となると、久々の試合というプレッシャーもあるし、B1のチームが相手ならではのディフェンスや強度もあります。様々な問題は出るだろうと予想はしていましたけど、いっぱいありますね」と少しだけ肩を落とした。

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8月23日、クラブは新加入予定だった#3アンソニー・ポライトとの契約解除を発表した。残念ながら、アメリカでの練習中に膝前十字靭帯断裂の診断を受けたことによる結果だった。栗原HCはポライト中心のチーム作りを構築しようとしていた。「オフシーズン相当時間をかけて選定した選手が2日前というところで来られないと。焦りと落胆とストレスがありました。そこから次の選手を探してももう天皇杯には間に合わないし、プレシーズンゲームでは色々なことを試しながらチームを作っていく段階なのに主軸がいないというのはきついですね。きついけれどどうしようもできないので、いるメンバーでやるしかないな」と、前途多難。苦難の船出だ。

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昨シーズン途中からHCに就任した。「自信はまだない」というが、昨シーズンの経験は大きい。「最初は自分が指揮できるのか不安でした。タイムアウトのタイミングやプレーの選択など失敗も成功もたくさんありました。その経験はすごく大きいですね。自分でセットプレーも決めてオプションも作り、その中には使えるものもありました。だから今シーズンに残したものもあります」と、確実にHCとしてステップアップしながら、チームも昨シーズンからの上積みがある。

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「フローオフェンスは、自分にとってはじめての取り組みです。途中までやって、やっぱり無理だからやめたなど言いたくない。これをしっかりやり切って、シーズン最後にどこまで作り上げることができるのかが一つテーマですね。セットオフェンスは無限にあり、多ければ多いほどいいというわけでもありません。何をもって完成かと言われると、それはまだわからないですが、自分なりに突き詰めていきたいところです」と、初めてシーズン通してHCとして挑む今シーズンの目標だ。

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「僕は口が上手くないので」、そう話す栗原HC。チームが負けてしまったり、上手くいかない時に、「よしやってやろうという話ができないところは悩みです」と明かしてくれた。現役時代から背中で語るタイプ。今シーズンからチームに加わった上杉翔アシスタントコーチと當銘勤次郎アシスタントコーチ。栗原HCが声をかけ、福島に合流した2名のACがHCと選手の間で上手くコミュニケーションを取ってくれているという。
選手の選定も初めて行った。シーズン開幕前のチーム作りも初挑戦だ。開幕まで1ヶ月、ここからどんな変化が見られるのか楽しみにしたい。

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福島の昨シーズンを振り返ると、目標としていたB1昇格が叶わなかっただけでなく、惜しくもプレーオフ進出も果たすことができなかった。チームは「プレーオフ進出」をまず目指す。
福島の今シーズン開幕戦は10月5日6日。須賀川市にある円谷幸吉メモリアルアリーナで愛媛オレンジバイキングスを迎え撃つ。いよいよ今シーズンの挑戦が幕を開ける。

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文:木村英里
写真:オガワブンゴ

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