ポイントガードとしての出場にも心の準備はしていたし、結果が出せている バスケットボール男子日本代表 西田優大
バスケットボール男子日本代表は7月30日、公開練習を行った。28日から始まった今回の合宿は、味の素ナショナルトレーニングセンターで実施されている。2023年FIBAバスケットボールワールドカップの開幕まで1ヶ月を切ったこの日、練習の最後15分ほどシューティング練習がメディアに公開された。
西田優大は、「オフコートの雰囲気はとても良く、最年長のマコさん(比江島慎)をいじったりもしている。でも練習中になると年齢の上下関わらずみんなバチバチしている。切磋琢磨しながらチームとしてどんどんレベルアップしているな」と感じている。
ワールドカップに出場できるのは12名。「一番長く(ホーバスヘッドコーチ体制で)やっているし、そういった意味で絶対に残りたいなと思う。まだ決まったわけではないが、テーブス海が今回落ちてしまってこれでガードの競争は一つ勝ち抜いたのではないか。海とアジアカップからずっと一緒にやっていて、同級生でもありすごく仲がいいので、海の分も残って頑張りたい」と仲間の想いも背負う。
強化試合ではポイントガードとして出場する時間があった。これまで練習では、「ガード組が合流が遅れるタイミングでは、5対5の練習で少しプレーすることはあった」という。それだけでなく、ホーバスヘッドコーチに求められていることを確認したり、河村勇輝に練習以外の時間にアドバイスを求めるなど積極的に取り組んできた。だからこそ「今回みたいにガッツリは初めてだったが、ちょこちょこタイミングがあったので心の準備はしていた。ただ、ここまでやるとは自分でも思っていなかった。それでも少しずつ結果が出せている」と自信と手応えをのぞかせた。
最後に西田は、「(ワールドカップでは)他の選手にないもので自分が戦うことができると思うのは、フィジカル使ったディフェンスや ペイントエリアに入ってからのフィニッシュだったり、そこからの判断が僕の持ち味。そういったところでしっかり戦っていければなと思う」と前を向いた。
また吉井裕鷹は、「最初からずっとトライアウトだった。その前にチームなので、一つ試合が始まれば、トライアウト関係なしにみんなでという雰囲気で盛り上がる」と話す。「僕の持ち味はフィジカルにバスケットボールをするところ。NBAで活躍している選手との対戦は誰でも楽しみ」とワールドカップへの期待感を示した。
取材当日30歳の誕生日を迎えた富樫はケーキで祝福され、「気持ちは変わらず今後もやって行きたい。目標としてきた大会が近い」と笑顔を交え気持ちを新たにした。渡邊雄太がこの合宿から参加していることについては、「彼もプレー面は頭に入れていく部分があり時間がかかるが、チームの雰囲気や強度など、いるだけで変わる。常に声を出しチームを引っ張ってくれるので頼りにしている」と語った。
今後、日本代表は、8月2日4日に群馬県太田市にあるオープンハウスアリーナ太田でニュージーランドと、その後は東京都江東区の有明アリーナで15日にはアンゴラ、17日にフランス、19日はスロベニア代表との強化試合に臨む予定だ。日本代表のFIBAランキングは36位。対戦する各国のランキングは、ニュージーランドが26位、アンゴラ41位、フランス5位、スロベニアは7位だ。
8月25日に開幕するワールドカップ。日本としてはなんとしても掴み取りたい大舞台での勝利。1次ラウンドで対戦するのはオーストラリア(3位)、ドイツ11位)、フィンランド(24位)。いずれも格上の強豪相手に挑む最終メンバーは誰か。本戦へ向け、いよいよメンバー争いも熾烈だ。日本代表の士気も高まっている。
ワールドカップ直前合宿に参加している日本代表15選手
比江島慎(SG/191センチ/宇都宮ブレックス)
須田侑太郎(SG/190センチ/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
富樫勇樹(PG/167センチ/千葉ジェッツ)
原修太(SF/187センチ/千葉ジェッツ)
渡邊雄太(SF/206センチ/NBAフェニックス・サンズ)
ジョシュ・ホーキンソン(PF・C/208センチ/サンロッカーズ渋谷)
馬場雄大(SG/195センチ)
吉井裕鷹(SF/196センチ/アルバルク東京)
川真田紘也(C/204センチ/滋賀レイクス)
渡邉飛勇(C/207センチ/琉球ゴールデンキングス)
西田優大(SG/190センチ/シーホース三河)
井上宗一郎(PF/201センチ/越谷アルファーズ)
富永啓生(SG/188センチ/ネブラスカ大学)
河村勇輝(PG/172センチ/横浜ビー・コルセアーズ)
金近廉(SF/196センチ/千葉ジェッツ)