[バスケを撮ろう!]船橋アリーナでバスケ撮影、カメラ設定やアリーナの撮影環境を。
フォトグラファーのオガワブンゴです。バスケ撮影をしている方のお役に立てればと思いこの連載をスタートしました。撮る位置が皆さんと違うので一概に「こう撮ります」と断言はできませんが、オガワブンゴ的な設定や感覚を書いていきます。バスケ撮影をする方の「ひとまず」的な基準になればと思っていて、その後は撮影する皆さんがどんどんアレンジしてカッコいいバスケ写真を撮ってもらえたら嬉しいです。
B.LEAGUE 2019-20 SEASON B1 第4節 GAME2 千葉ジェッツ vs 川崎ブレイブサンダースのゲームで船橋アリーナへ。
とんでもないゲームでしたね!うさぎとかめのような展開で、じわじわ系の川崎ブレイブサンダースが最後に勝利を掴み取りました。一方、千葉ジェッツは前半と後半のコントラストが激しすぎました。前半だけを見ていると昨シーズンの強い千葉ジェッツが戻ってきた感じで「眠りから覚めた!」って思いましたが、後半は皆さんのご存知のとおりな展開に。川崎ブレイブサンダースに寄り切られてしまいましたね。
そしてこの連載のテーマでもあるバスケ撮影に関して言うと、「もう大変!」な撮影環境でございます。。。目の前では選手たちが戦ってましたが、僕はカメラと戦ってました。。。
(以下、千葉ジェッツ⇒千葉、川崎ブレイブサンダース⇒川崎)
【B.LEAGUEの撮影ルール】
B.LEAGUEでは、試合の写真撮影はOKですが、「明確なルール」があります。
・「試合中の写真撮影」は、「個人での利用を目的とした場合」に限り可能
・「15秒以内の動画撮影」は、「個人での利用を目的とした場合」に限り可能
・フラッシュはNG
※たまに、AF補助光(距離を測るための赤い光)がついている方がいます。これも消すように事前にカメラの設定を確認してください。
その他、ゲーム主催クラブの指示に従い、ルールを必ず守って、ゲーム運営、選手、観戦している周りの方に迷惑を掛けないようにしましょう。
撮影したゲーム
2019年10月20日(日)16:11 TIP OFF
B.LEAGUE 2019-20 SEASON
B1 第4節 GAME2
千葉ジェッツ vs 川崎ブレイブサンダース
@船橋アリーナ
アリーナの印象
常時5000人は観戦に来るアリーナでギュウギュウ、加えて熱気がすごい。また、オープニングセレモニーはかなり見応えがあります。1時間以上前にアリーナに行ってこのセレモニーも楽しんでほしいなって思います。こういう演出は室内競技でもあるバスケの魅力の一つですよね。
そして、オープニングセレモニーも撮影チャンスなのでカッコいい写真が撮れると思います。
撮影環境(明るさ、フリッカーなど)
ここが本題ですよね。観客席からは場所によって遠い近いがあるので一概に良い悪いは言えませんが、コート近くであれば撮影は楽しめるかと思います。ただですね、撮影環境は「もう大変!」です。照明の光量が少ないということもありますが、同じ設定で同じ場所から撮影してましたが、いきなり明るさが変わったりしたので、もしかしたら照明が一定じゃないのかなって感じました。もちろんフリッカーはしっかり出ます。そして、コートサイドにあるバナービジョンやその他演出で使用される光があちこちから襲ってきます。加えてコートの黄色や赤も反射するので、写真を撮る環境としては「かなり厳しい」です。仮に工事をするとしても公共の建物でもありますし、千葉ジェッツのオフシーズンは他の利用者のオンシーズンでもあるのでなかなか難しいですね。現時点では「アリーナを何とかして」と騒ぐよりも僕も含めた撮影者がこの環境に順応するしか無さそうです。
明るさ⇒光量が少なく、もしかしたら一定じゃないかもしれません。
フリッカー⇒ちゃんと出てきます。
フリッカーとは?
蛍光灯の下で撮影した際、発生する可能性が高い「明るさのムラ」のこと
使用カメラ、使用レンズ
・使用カメラ:SONY α7iii
・使用レンズ:FE50mm F1.8SEL50F18F (SEL50F18F)
今回も定番のセットです。カメラはSONY α7iiiを使用。レンズもFE50mm F1.8 (SEL50F18F)。
カメラの設定
●シャッター速度:1/1000
●絞り(F値):F1.8
●ISO感度:5000
●ホワイトバランス:最初はオート、1Q途中からカスタム
それではそれぞれついて。
●シャッター速度
今回も1/1000にしました。個人的にはもう少し速くしたかったというのが本音です。
ゲーム展開が速いことや激戦になることが容易に予測できるので、トータルで対応するには1/1600ぐらいにしたかったんですね。ただ、前述の撮影環境のところで書いた通りアリーナの光量問題があるので以下の7つのシャッター速度を試してみました(1/400、1/500、1/640、1/800、1/1000、1/1250、1/1600)。そして、この中から選んだのが1/1000です。
●絞り(F値)
今回もF1.8。
こういった光量が少ない環境ではF値が低いものがオススメです。少ない光をカメラに取り込むにはF値が低いレンズが効果的。このF値が低いレンズを使ってみてください。
●ISO感度
今回は5000。
カメラに頑張ってもらいました。
●ホワイトバランス
オープニングセレモニーやゲーム前に合わせることは現実的ではないので、最初はオートしました。そして1Q途中に白い紙を出してセット。ただ、それでもあちことからいろんな光が襲ってくるのでかなり不安定になります。こういった場合はどこかのタイミングで一度固定してしまい、最終的にパソコン上で合わせるという工程がベターかなと。今回の「TODAY’S FOCUS」でアップしている写真はわざと色を合わせてませんので、気になる方はご覧になってください。色味の違いがわかるかなと思います。いずれにしても、僕の感覚としては、光量が少ない(もしくは一定じゃない)ということと同時に、このホワイトバランスの設定が写真にダイレクトに影響してくるのかなという印象です。
バスケを撮るうえでのコツ的な小話
船橋アリーナは熱気がすごく、千葉の戦いも熱戦が多いのでかなり激しい。現場にいてとてもワクワクするんですが、写真撮影に関して言うと「厳しい環境」と言わざるを得ません。そんなときは、撮った後の処理で「何とかする」ことを考えてください。殆どの方がデジタルカメラだと思うので、最終的な調整はパソコンで行う方が多いと思いますし、僕もそうしてます(最近ではスマホでやってしまう方もいるかと思いますがここではパソコンでのお話を)。もう一般的になってきていますが、PhotoshopやLightroomなど便利なソフトを使用して調整するのをオススメします。僕が写真を撮るときは最終形をイメージして撮りますが、このパソコンで調整することを「込み」で考えてます。僕は普段の仕事でレタッチが必要なときはレタッチャーさんに全て依頼しますが、バスケ撮影に関して言うとトリミング、明るさ、色味をいじる程度なのでレタッチャーさんには依頼しません。ちなみに、サイト構成上トリミングの縦横比は4×5にしています。船橋アリーナの場合は、この撮影後の処理が一つのポイントになってくるかと思うので、ゲーム中はガシガシ撮って撮影後「頑張る!」みたいな割り切りが必要かなって感じてます。フリッカーや光量が少ないといった環境ではありますが、ここは「開き直って」ガンガン撮影してしまいましょう!どこかで書いたかと思いますが、「開き直り」も写真撮影する上で重要な要素です。
今回のカメラ設定で撮った写真(Instagram)
※写真を押すとインスタグラムへ移動できますのでぜひ御覧ください。
次回取材予定のアリーナ
・2019年10月25日(金)に開催されるB2 第7節 GAME1 東京EX vs 東京Z @小豆沢体育館
・2019年10月26日(土)に開催されるB1 第6節 SR渋谷 vs 川崎 @青山学院記念館
まとめ
今回は「撮り方やカメラの設定」という話ではない記事になってしまいました。すみません。。。さんざん「厳しい」と言ってきましたが、すべての写真がボツになるわけではないのでそこは間違わないでください。ボツになってしまう写真が他のアリーナよりも多いということです。
船橋アリーナの撮影環境に関しては、みんなで束になって「何がベターか」を共有するのが良いなって思います。「この写真はこういう設定で撮った」とかの情報がtwitter上などでわんさか出てくるようになってくれば個人的には嬉しいですね。皆さんはどうでしょうか?「こういう設定でうまいこと撮れました!」みたいなのがあればぜひ教えてください。カメラ、レンズ、撮影場所が僕も含めて各々違うかと思いますが、船橋アリーナの撮影設定はバスケ撮影をする全員で考えるみたいな団体戦が有効なんじゃないかなと帰りの電車の中で考えてました。それくらい誰に聞いても、誰と話しても同じ話題が出てくる船橋アリーナです。オープニングセレモニーから始まり、ゲームは熱戦が多いですし、ブースターの熱気もすごいので船橋アリーナにいる事自体がすごく楽しいです。ただ、現状の撮影環境だとどうしても「厳しい」ので自分を環境に順応させてバスケ撮影も楽しみましょう!
この記事に #船橋アリーナ撮影設定 のハッシュタグをつけてツイートしますので、「私はこういう設定がごきげんでした」みたいなものがあればぜひ!こういった情報を共有できてより船橋アリーナでのバスケ撮影が楽しめる状況になれば良いなって思ってます。
オガワブンゴ Bungo Ogawa
バスケやミュージシャンといった動きのある被写体を主に撮影。Podcastクリエイターとしても活動し、「MOOKSTUDY日本の歴史」はランキング上位に常にいる人気番組。
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