次こそ、パリ五輪へ アルバルク東京 テーブス海
FIBA ASIA CUP 2025 QUALIFIERSが東京都の有明コロシアムで行われた。2月22日にグアム、25日には中国と対戦した日本代表は、グアム戦を77-56、中国戦を76-73で勝利。開幕2連勝を果たした。中国戦での勝利はFIBAアジアカップ以上の公式戦では88年ぶり、さらにトム・ホーバスヘッドコーチ(以下・HC)が男子代表HC就任後の初陣で敗れた因縁の相手からの勝利に指揮官も選手も喜んだ。
この2戦、パリ五輪への並々ならぬ思いで臨んでいたのは#7テーブス海(アルバルク東京)だ。昨年夏、沖縄で行われたW杯の出場を目指していたが、残念ながらその切符を掴むことができなかった。
中国戦後、「今日はグアム戦よりプレータイムは短めでしたが、その中でも2クォーターの途中から、ディフェンスでチームに勢いを引き寄せるプレーや、持ち味であるペイントアタックなど手応えを結構感じることができました。また呼んでいただけたら常にそういうところをアピールしていきながらもっともっと積極的になりたいと思います」と語り、「笑顔でチームへ帰れるのでは」とも吐露していた。
今後の課題は、「自分がやらなくてはならないことの安定性」だという。
「去年はできる試合もあればできない試合もありました。役割が明確なので、安定性を保つことができればパリ五輪のメンバーに入れると信じています」と前を見据えていた。
テーブスとともにダブルガードとして出場する時間もあった#2富樫勇樹(千葉ジェッツ)は、「正直練習でほとんどやっているわけではないですが、グアム戦での起用がすごく良くて継続したと思います。ボールハンドラーがもう一人増えるということは僕にとって嬉しいこと。実際に2本目のスリーポイントシュートも普段はあまりない。彼がペイントへアタックして僕がシューターのような役割で決めた場面もあったので、すごくやりやすく感じました」と振り返った。また、テーブスは188cmとサイズも武器になる。富樫も「ある程度の2番の選手にもつくことができる体を持っているのでディフェンスのところでミスマッチにならない」と語っていた。
テーブスについて会見で問われたホーバスHCも「グアム戦で彼はいい仕事をした。彼も6ヶ月ぶり、上手くなった。(落選は)悔しかったと思う。その経験をもし彼が怒っていたら、その考えはダメだよと良くなかったと思う。彼は逆だった。うち(代表)のことを色々聞いていた。オンボール、オフボールディフェンスも上手くなった。ターンオーバーも少ないしボールコントロールも判断もよかった」と高い評価を示した。
さらに、「ダブルゆうき(富樫と#5河村勇輝)はスリーポイントシュートが得意じゃないですか。彼がペイントアタックすると2番ポジションみたいに富樫がチャンスを増やすかなと思う。コンビネーションはこれからまた使います」と今後への期待を込めた。
テーブスは、改めてパリ五輪への思いを明かした。
「去年の落選した悔しい気持ちというのは、自分の代表活動での原動力になっていると思うので、次こそパリ五輪は出るという熱い強い気持ちでやるつもりです」
終始、謙虚に言葉を選び話す姿が印象的だったが、その言葉の節々からは強い意思と覚悟が感じられた。アルバルク東京へ戻り、更なる成長を遂げ、パリで活躍するテーブスの姿をぜひとも見たい。