[ERI’S FINDER]試練が続く川崎〜富山からとどろきへ〜
このコラムは、フリーアナウンサーの木村英里がブレ活(ブレずにサンダースを応援し続けるバスケットボールライフ)を送る中で見つけたこと、感じたことを綴る取材日記です。
クリスマスゲーム
あの日、ファジーカス選手が語った言葉
時間は1週間ほど遡り・・・
2019年12月25日。クリスマス。
富山市総合体育館で行われた富山グラウジーズ対川崎ブレイブサンダースの試合、私も現地で取材させていただきました。
第13節、名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦で負傷し離脱してしまったマティアス・カルファニ選手。さらには、辻直人選手が試合途中で退場してしまうなど川崎にとっては試練続きでした。
試合後に佐藤賢次HCは、「連戦で練習もできない中で実際に試合をやってみて、カルファニ選手がいないと何かが違う。試合をしながらそう感じた」と明かしてくれました。
コート上での活躍だけでなく、コートの外でもチームにエナジーをもたらしてくれていたカルファニ選手。その存在の大きさは予想以上だったのかも知れません。
そして、チームの流れを変えたきっかけの一つとして、佐藤HCと篠山竜青選手お二人が挙げたシーンがありました。
それは、ニック・ファジーカス選手が全員をベンチ前に集めたシーンです。ファジーカス選手があの時にみんなにかけていた言葉。
「マティアスはこういう時に、ハードワークをしてディフェンスを頑張ってエナジーを出してみんなを引っ張ってやってくれていた。でも今はマティアスはいないんだ」
佐藤HCも「その言葉から、みんな目が覚めたように一人一人が頑張り始めた」と語っていた通り、川崎らしいエナジー全開のプレーを取り戻し、延長戦の末に98−90で勝利しました。
ちょっとお疲れの様子だった佐藤HCでしたが「すごくいい試合だった」と、最後は噛みしめるように語っていました。
2019年最後はとどろきで
和製マティアス!?
そして迎えた年内最終戦、28・29日に滋賀レイクスターズとの試合が行われました。
28日に行われたGAME1は再び延長戦を戦い、90−89と接戦をものにしました。さらに翌日のGAME2も80−71で勝利し15連勝!
そしてGAME1は辻選手が出場停止という中で、久しぶりに特別強化指定選手の増田啓介選手が帰ってきてくれましたね。
「ファウルトラブルがあって、ヘンリー・ウォーカー選手が攻めてきている時間帯だったので、増田選手をぶつけてみようと思った」と、GAME1で思い切って増田選手を起用した佐藤HC。
では、佐藤HCは増田選手にどのようなことを期待しているのでしょうか。
「もともと体は強いし、バスケットIQもすごく高い。アンダー世代から世界とも戦っている選手なので、守り方も長けている。今日は4番ポジションで使ったが、これから3番ボジションもやることになる」と高評価。増田選手の活躍を佐藤HCも楽しみにされているようでした。
さらには、こんなことも語っていたのです。
昨シーズン、当時HCだった北GMは増田選手について「ボールが無いところの動きも面白いなと思う」と語っていたことを思い出します。増田選手がこの先、どんなプレーを見せてくれるのか楽しみですね。
抜けた選手の分まで
さらに試練は続く・・・GAME2、アクシデントにより篠山竜青選手が途中退場。
試合後、熊谷尚也選手にお話を伺いました。
まずは「個人的にはオープンショットをしっかりと沈められたので良かった。年内最後の試合を勝ち星で終われたことが良かったと思う」と振り返り、「怪我人も多いけれど、しっかりとチーム全員で戦っていいゲームをして勝ち切れているということが大事」とお話されていました。
熊谷選手のおっしゃる通り、それでも負けない川崎。
「僕だけじゃなくて、全員がしっかりと抜けた選手の分もしっかり頑張ろうという気持ちで戦っている。それがいい雰囲気で試合に臨めていると思う」
ここまでチームが積み上げてきたもの、それぞれが持つようになったリーダーシップ、チームの結束・・・今シーズンの川崎を見せてくれていますよね。
2020年、新年を迎えても川崎は厳しい戦いを強いられることと思います。
「チーム一丸となって、いるメンバーでしっかりと1試合1試合を大事に勝っていきたい」
熊谷選手は最後に、前を向きながらそう語ってくださいました。どんな状況下でも、それを冷静に受け止め戦い続ける姿勢、頼もしいですね。
川崎の選手たちは、いつも以上の力を発揮することが求められるでしょう。青木保憲選手や林翔太郎選手たちのより一層の成長にも期待が集まります。
苦境に立たされた川崎は今以上に結束が強まるはず。優勝への高い壁をチーム一丸となって乗り越えて欲しいと思います。
ERI’S FOCUS
囲み取材を行う時、準備が整った選手から順に取材場所まで来てくれます。その際「お疲れ様です」「よろしくお願いします」と挨拶をしながら、選手のみなさんはやってくるのですが、熊谷選手は「お待たせしました!」と声を掛けてくれました。
たった一言の中に、熊谷選手の気遣いや優しい人柄が現れていますよね。ファンのみならず、多くの記者の方から愛される理由の一つなのだろうと思いました。
そんな風に今年を振り返ってくれた熊谷選手。2020年、さらなるご活躍を期待しています。
2019年10月からスタートしましたballtrip。まだ2ヶ月という短い期間ですが、メンバーも増えました。来年も、バスケットボールというスポーツの面白さや楽しさ、そしてかっこよさや美しさなどを、私たちらしく追求しお伝えしていけたらと思っています。
そしてERI’S FINDERを読んでくださるみなさま、いつもありがとうございます。来年もブレ活を続けながら、サンダースファミリーの一人として私なりに見つけたことを綴っていきたいなと思います。
来たる2020年も変わらず、よろしくお願いいたします。
文:木村英里
写真:Shinobu Mino
木村英里 Eri Kimura
バスケの魅力にハマったフリーアナウンサー。テレビ静岡・WOWOWを経て現在はラジオDJ、司会、ナレーション、ライターとしても活動中。川崎ブレイブサンダースファン。
twitter:@kimuraeri / Instagram:@39elly39
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