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[ERI’S FINDER]日本一のシューター

このコラムは、フリーアナウンサーの木村英里がブレ活(ブレずにサンダースを応援し続けるバスケットボールライフ)を送る中で見つけたこと、感じたことを綴る取材日記です。

葛藤と苦悩の中で

エースの現在地

今シーズン最初の神奈川ダービーは、横浜ビー・コルセアーズのホーム横浜国際プールで行われました。GAME1は75−63、GAME2は84−60と2日間ともに横浜を60点台前半に抑えた川崎ブレイブサンダースが連勝を飾りました。

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試合後の会見で佐藤賢次HCも「GAME1に続き良いディフェンスができた。それが勝因」とコメント。しかし、3Qで横浜にペースを握られる展開がありました。その点に関しては「やるべきことが徹底できていない時間帯があった」と振り返っていました。やはりあれだけハートなディフェンスを40分間やり続けることはとても大変なこと。辻直人選手も「今シーズンはディフェンス面がとても良くなっているので、大崩れしないかなと思う。それを40分できるかが今課題になっている。できない時間を見直してフィードバックすることを毎週やっている。確実にステップアップできているし、もっともっと強くなる川崎を見せられると思う」と話していました。
会見の最後に、佐藤HCはそんな辻選手について触れられました。
「辻が最後まで出て、勝負所でスリーポイントを決めてくれた。まだまだ本調子ではないが、徐々に(コンディションが)上がってきている」
ファンとして待ち遠しいのは辻選手の完全復活ですよね。
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ということでGAME2、ご自身の連続スリーポイントから試合がスタートしたことを「久し振りで嬉しかった」と振り返った辻選手に取材をさせていただきました。

怪我などもあり不完全燃焼のシーズンが続き、シーズンオフに受けた手術の影響で出遅れてしまった今シーズン。辻選手はどんな思いを胸に戦っているのか率直なお気持ちを伺ってみました。
「開幕からこの間までは、不安というかマイナスの感情があった」
そんな中、今月に入り佐藤HCと時間を設け「もう一度自分の目標を持ってやる」という話をしたことを明かしてくれました。

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では、辻選手のおっしゃる目標とは何なのでしょうか。
「僕が生き生きしていたBリーグがスタートする前のNBL時代は、日本一のシューターになりたいと思ってやっていた。シーホース三河の金丸晃輔選手や川村卓也選手がすごい、負けたくないと思っていた。どんなに相手から厳しくマークされようと戦ってきた。でも最近は、その目標も失くなっていて、怪我もあり自分のプレーができなかった。このまま普通の選手になっていくのかなと諦めが大きくなりつつあった」
ムードメーカー的存在で、お茶目な人柄や笑顔の印象が強い辻選手。でもやはり、モヤモヤしたものを抱えながら戦い続けていたのですね。
目標だけでなく自信も失いかけていた川崎のエースは、佐藤HCとの話の中で「もう一度、日本一のシューターと自他ともに認められるような選手になりたい!」と思ったそうです。「そこから気持ちも吹っ切れた。感情はちょっとずつ前向きになっている」と少しすっきりしたお顔をしていらっしゃいました。

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もっと強気に

今シーズン、大塚裕土選手と熊谷尚也選手が加入したことも、辻選手にとって大変刺激になっているようです。
「同じポジションの大塚選手はシュートに貪欲。打ち続けられるメンタルを持っている。見習わないと」と語っていました。
シュートへの貪欲さ、そして打ち続けられる自信、辻選手が見失いかけたもの、完全復活するために必要なヒントは身近なところにあるのかもしれませんね。

洛南高等学校から青山学院大学、そして東芝へ。JBL時代には新人王、ファイナルMVPなども獲得。もちろん日本代表としても活躍するなど辻選手がこれまで歩んできたのは、まさにエリート街道。
たくさん得点を決めること、チームを引っ張ること、そして優勝へ導くこと。川崎のエースに求められることはとても多く、川崎のエースはニック・ファジーカス選手だけではありません。辻選手にのしかかってきた期待や重圧。ご自身の責任を感じることも多かったでしょう。怪我などと向き合いながら上手くいかないジレンマと戦い続けてきたのですね。

今シーズン、誰もが口にする新チームの変化と手応え。その中で、やるせなさや焦りを感じないわけはないと思います。でもチームに可能性を感じているからこそ、「自分も貢献したい!」「活躍して優勝したい!」と思うはず。辻選手がポジティブになるほど、コンディションも上がってくると信じています。

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「もっと自分が自分がとなっていたはずなのに…」
「もっと強気になってやっていかないと…」
辻選手がインタビュー中に口にした言葉。どこか、自分を鼓舞しているように聞こえました。
完全復活への糸口を掴めそう、そんな辻選手。焦らず、取り戻した目標のためにバスケットを楽しんで欲しいなと思いました。
やはり辻選手の完全復活なくして川崎の優勝はないと思うのです。

ERI’S FOCUS

GAME2試合終了間際に見せた、マティアス・カルファニ選手のリバウンドダンク!
痺れました。

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木村英里 Eri Kimura
バスケの魅力にハマったフリーアナウンサー。テレビ静岡・WOWOWを経て現在はラジオDJ、司会、ナレーション、ライターとしても活動中。川崎ブレイブサンダースファン。
twitter:@kimuraeri / Instagram:@39elly39

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