チャレンジすることが大好き サーディ・ラベナ(三遠ネオフェニックス)
3月31日に沖縄市体育館で行われた琉球ゴールデンキングス戦で怪我から復帰した、三遠ネオフェニックスのサーディ・ラベナ選手。
バスケットボールが国技というフィリピン出身。今シーズンからBリーグが採用しているアジア特別枠の第1号として加入した。大学時代はNo.1プレーヤーと言われ、国民的スター選手だ。その人気はBリーグデビュー戦でも証明されることとなった。海外向けに試合が配信されると、ライブ視聴数はおよそ91万再生を記録し、最大同時視聴者数は9万人という驚くべき数字だった。
しかし、Bリーグでの初シーズンは思うようにはいかなかった。コロナ禍でのシーズン、チームへの合流が遅れ、昨年11月末にはラベナ選手が新型コロナウイルスに感染。さらに年明け1月2日に行われたサンロッカーズ渋谷戦で、右手を骨折し復帰までに3ヶ月かかった。
復帰戦となった琉球戦前、対人練習はたった一度だけだったという。
その後ハードスケジュールの中、復帰から3試合。
「(自分のパフォーマンスのレベルについて)マックスを10で表現するなら現状は7くらい。ゲームを見てもわかるように自分としても改善していかなければならない部分、考えながらやらなければならない部分があると思っている。」
と冷静にプレーを振り返る。
試合に出られない間、コートの外からどのような思いでチームを見つめていたのだろうか。
「どのチームも改善点はあると思うが、自分たちはフローオフェンスの部分。それからディフェンスについて、チームとしてディフェンスを機能させて、相手のオフェンスを止める必要があり、その後のオフェンスも自分たちがチームとしてお互いのことを考えながら進める必要がある。他にも細かい改善すべき点がある。」
俯瞰で見るからこそ気が付けることもある。
Bリーグの印象を改めて聞いてみると、「間違いなくレベルの高い、強いリーグだ。外国籍選手、帰化選手を含めて考えても非常にハイレベル。日本人選手を見ても、とても速い展開でプレーする選手が多く、ゲームを通して激しさをキープできることが素晴らしい。そこがフィリピンのバスケとの違いだと思う。」と教えてくれた。
三遠はここまで11勝40敗(2021年4月7日現在)。厳しい戦いが続いている。
そんな中でラベナ選手の復帰は朗報だ。
ブラニスラフ・ヴィチェンティッチHCは「彼が中心となるチームを作っていきたい。彼がいいパフォーマンスできるように、しっかり時間を与えていきたい。お互い我慢強くアドバイスしてサポートしていきたい。」と語る。
だが残された試合数は決して多くない。「チャレンジすることが大好き」な性格で日本でのプレーを選択。「Bリーグでのプレーは嬉しい」という言葉はファンとしても喜ばしい。
まずはパフォーマンスとコンディションを上げ、残された試合でより多くの勝利をチームにもたらしてほしい。
ラベナ選手が、インタビューの最後に語ってくれたこと。
「将来的には、もっとBリーグがアジアのみならず世界中で有名になるだろう。」
今後、世界にBリーグの存在を知らしめる役割を、間違いなくラベナ選手も果たしてくれることだろう。